米国:6月CB消費者信頼感は先行き期待で微増も低い水準

~和平合意への期待が支えるも、足元のインフレ警戒が重石に~

桂畑 誠治

目次

1. 消費者信頼感指数は予想を下回り低水準、現状と期待で明暗

26年6月の米コンファレンス・ボード(CB)消費者信頼感指数の速報値は91.2と、前月の90.6(改定値)から前月比0.6ポイントの微増にとどまった。前月分が93.1から90.6へと大幅に下方改定されたこともあり、市場予想中央値(94.4)や筆者予想(94.0)を大きく下回る結果となっている。地政学リスクやエネルギーコストの上昇といった逆風を受け、指数水準自体は依然として低位にあり、個人消費の伸びが当面は緩慢な推移にとどまる可能性を示唆している。

指数の内訳をみると、構成要素間で明暗が分かれた。現状指数は116.4(前月119.4:改定前121.2)と前月比3.0ポイントの低下となった一方、期待指数は74.4(前月71.4:改定前74.4)へと同3.0ポイント上昇した。

イランなど中東情勢への懸念やコスト負担増が根強いなか、高止まりするガソリン価格をはじめとする物価上昇が現状指数を押し下げた。一方で、米国・イラン間の和平合意への期待が、先行きの見通しを押し上げた格好だ。

2. 中東懸念は緩和も、経済に対する悲観的なバイアスは継続

発表元によると、「6月も経済に対する悲観的なバイアスが継続」している。回答者の「価格」「石油・ガス」への言及頻度は減少したものの、依然として高い水準にある。一方で、「戦争」「地政学」「紛争」に関する言及は減少しており、中東情勢がインフレに与える影響への過度な懸念は和らぎ始めていることが示された。

3. 雇用への懸念が強まる一方、所得期待が下支え

項目別に精査すると、先行き不透明感の緩和が現状の悪化を相殺する構図が浮かび上がる。現在の景気に対する楽観的な見方は小幅に改善したものの、雇用の現状に対する良好な見方が弱まっている。

現状指数の構成項目では、現在の景気判断(「良い」-「悪い」)が+3.5(前月+2.5:改定前+1.4)へと上昇したものの、現在の雇用機会に対する判断(「充分」-「困難」)が+2.4(前月+5.0:改定前+6.9)へとプラス幅を縮小し、足元の雇用環境への見方は後退した。

一方、期待指数の構成項目では分野ごとに方向性が分かれた。6カ月後の雇用に対する見方(「多くなる」-「少なくなる」)は▲10.4(前月▲10.4:改定前▲8.5)と横ばいながらもマイナス圏にとどまっており、雇用の先行きに対する悲観論は根強い。しかし、6カ月後の景気に対する見方(「良くなる」-「悪くなる」)が▲1.3(前月▲4.4:改定前▲3.5)へと悲観的な見方が若干弱まった。さらに、6カ月後の収入に対する見方(「増加する」-「減少する」)は+7.6(前月+4.7:改定前+6.3)と上昇し、ガソリン価格下落の影響などから所得増加への期待が改善している。

図表
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4. 粘着的なインフレ心理へと変質するリスク

インフレに関しては、1年先のインフレ見通しが6.0%(前月6.2%)へと低下したものの、依然として高止まりが続いている。

中東情勢に端を発するエネルギー価格の高止まりは、消費者のインフレ心理を一時的な振幅から高水準での定着へと変質させるリスクをはらむ。こうした家計のインフレ期待の定着に対し、FRBは警戒姿勢を強めている。

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桂畑 誠治


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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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