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2025.06.12
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景気予測調査から見た四半期決算見通し
~投入コスト減に伴い素材関連産業で利益計画大幅上方修正の可能性~
永濱 利廣
- 要旨
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- 2025年4-6月期の法人企業景気予測調査を見ると、25年度計画では、売上高計画が小幅上方修正も、経常利益計画は減益幅が拡大。
- 増収計画の上方修正率が高い業種は「自動車」「その他輸送用機械」「リース」「職業紹介・人材派遣」「生産用機械」と続く。「自動車」「その他輸送用機械」「生産用機械」については、トランプ関税前の駆け込み輸出の影響が寄与した可能性。「リース」については、投入コスト増に伴う価格転嫁の影響、「職業紹介・労働者派遣」についても、人手不足に伴う人件費コスト増等により値上げが反映されたことが予想される。
- 経常利益計画が大幅上方修正されている業種は「石油・石炭」「木材・木製品」「非鉄金属」「情報通信機械」「窯業・土石」の順となる。「石油・石炭」「非鉄金属」は、トランプ関税の影響などに伴い原材料価格が下がることによる交易条件改善 効果が出ている可能性。「木材・木製品」「窯業・土石」も価格転嫁が進む中で、同様にトランプ関税の影響などに伴う交易条件改善 が寄与していることが推察される。「情報通信機械」については、ITサービスに対する堅調な需要が継続することに加え、為替を含めたトランプ関税の影響に伴い投入価格が下がることによる交易条件改善 が後押しとなった可能性。
- より直近の動向が反映される6月日銀短観の業種別収益計画(7月公表)も今期業績見通しを読み解く手がかりとして注目したい。
経常利益が下方修正
6月12日に公表された2025年4-6月期法人企業景気予測調査は、今年5月下旬にかけて資本金1千万円以上の法人企業に対して行った景気予測調査であり、今期の業種別企業業績計画を予想するための先行指標として注目される。
そこで本稿では、今年7月下旬からの四半期決算発表で、今年度の企業業績計画の上方修正が見込まれる業種を予想してみたい。
下図は、法人企業景気予測調査の調査対象企業の各調査時期における売上高と経常利益計画の今年度見通しを見たものである。まず売上高を見ると、製造業・非製造業とも増収率は上方修正となっている。このため、四半期決算でも今期の売上高計画が上方修正される業種には注目が集まるものと推察される。
一方の経常利益は、製造業・非製造業とも今年度計画の減益幅が前回調査から拡大している。このことから、7月下旬からの四半期決算発表では、今年度の経常利益計画の下方修正が出てくることが予想されるが、そうした中でも、経常利益計画の上方修正が打ち出される業種には注目が集まるものと推察される。

増収率上方修正の「自動車」「その他輸送機械」「リース」
以下では、7月下旬からの四半期決算で、今期売上高計画の上方修正が期待される業種を見通してみたい。下表は業種別売上高計画を前年比と前回調査からの修正率で比較したものである。

結果を見ると、25年度は「石油・石炭」「非鉄金属」「鉱・採石・砂利採取」「建設」「電気・ガス・水道」以外の業種で増収計画となっている。
こうした中で、前年比の上方修正率が高い業種は「自動車」「その他輸送用機械」「リース」「職業紹介・労働者派遣」「生産用機械」となっている。
まず「自動車」「その他輸送用機械」「生産用機械」といった輸出関連業種については、トランプ関税前の駆け込み輸出の影響が寄与した可能性が示唆される。
一方、「リース」については、経常利益計画が大幅下方修正されていることからすれば、投入コスト増に伴う価格転嫁の影響が大きいことが推察される。
他方、「職業紹介・労働者派遣」についても、経常利益計画が大幅下方修正されていることから、人手不足に伴う人件費コスト増等により、値上げが反映されたことが予想される。
「石油・石炭」「木材・木製品」「情報通信機械」等が増益率大幅上方修正
続いて、経常利益計画から増益率の上方修正が期待される業種を見通してみよう。結果を見ると、多くの業種で減益計画となっており、これはトランプ関税発動に伴う不確実性の高まりなどが主因と推察される。

こうした中、経常利益の上方修正が目立つ業種は「石油・石炭」「木材・木製品」「非鉄金属」「情報通信機械」「窯業・土石」等であり、いずれも10%を超える上方修正率となっている。
特に「石油・石炭」や「非鉄金属」は減収率及び増収率が下方修正となっているため、トランプ関税の影響などに伴い原材料価格が下がることによる交易条件改善効果が出ている可能性が高い。一方、「木材・木製品」や「窯業・土石」は増収率が上方修正される中で増益率が大幅上方修正となっていることからすれば、価格転嫁が進む中で、同様にトランプ関税の影響などに伴い原材料価格が下がることよる交易条件改善 が寄与していることが推察される。
一方、「情報通信機械」については増収も増収率が下方修正されていることから、ITサービスに対する堅調な需要が継続することに加えて、こちらも為替を含めたトランプ関税の影響に伴い投入コストが下がることによる交易条件改善 が後押しとなった可能性がある。
なお、日銀が7月に公表する6月短観の業種別収益計画(大企業)は法人企業景気予測調査に比べて聞き取りのタイミングが若干遅いことから、直近の影響をより織り込んでいる可能性が高いため、6月短観における大企業の収益計画も四半期決算と今期業績見通しを読み解く手がかりとして注目したい。
永濱 利廣
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 永濱 利廣
ながはま としひろ
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経済調査部 首席エコノミスト
担当: 内外経済市場長期予測、経済統計、マクロ経済分析
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永濱 利廣

