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2026.03.12
日本経済
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景気予測調査から見た26年度業績見通し
~「木材・木製品」「医療、教育」「パルプ・紙加工品」で大幅増益計画~
永濱 利廣
- 要旨
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- 2026年1-3月期の法人企業景気予測調査を見ると、26年度計画では、売上高が6期連続で増収計画になるも、諸々のコスト増や世界経済の先行き不透明感等により経常利益は減益計画。
- 26年度の増収計画幅が大きい業種は「石油・石炭製品」「繊維」「電気機械」「生産用機械」「不動産」と続く。「石油・石炭製品」はイラン情勢緊迫化に伴い鉱物性燃料価格が上昇していること等から、価格転嫁に伴う製品価格上昇等が増収計画に寄与していることが推察される。「繊維」については、半導体関連材料を中心とした高機能品の需要拡大に加えて、原油価格上昇に伴う価格転嫁が見込まれていることが予想される。「電気機械」や「生産用機械」については、データセンターや車載向けを中心とした電子部品や半導体製造装置需要の拡大に加え、ITサービスや防衛・エネルギー関連に対するさらなる需要の増加が期待されている可能性。不動産については、賃料の上昇などに伴うさらなる不動産価格の上昇が見込まれている可能性。
- 26年度に大幅増益が計画されている業種は「木材・木製品」「医療、教育」「パルプ・紙加工品」「繊維」「金属製品」の順となる。「木材・木製品」「パルプ、紙加工品」「繊維」「金属製品」については、いずれも増収計画にもなっていることからすれば、製品の輸出が好調なことに加え、諸々の供給不足などにより価格転嫁が進んでいること等から、増収増益が期待されていることが推察される。「医療、教育」は高校授業料無償化などもあることから、堅調な需要を受けて強気な計画になった可能性がある。
- 足元の影響がより反映される3月日銀短観の業種別収益計画(4月2日公表)も、来期業績見通しを読み解く手がかりとして注目したい。
25年度は増収減益計画
3月12日に公表された2026年1-3月期法人企業景気予測調査は、今年2月下旬にかけて資本金1千万円以上の法人企業に対して行った景気予測調査であり、来期の業種別企業業績計画を予想するための先行指標として注目される。
そこで本稿では、今年4月下旬からの今年度決算発表において、来年度の企業業績計画の好調さが見込まれる業種を予想してみたい。
(図表1)は、本調査のうち全規模・全産業の各調査時期における売上高と経常利益計画の年度見通しを見たものである。まず売上高を見ると、26年度は6年連続の増収計画となっている。このことから、決算でも来期の売上高計画が強い業種には注目が集まるものと推察される。

一方、経常利益は全産業で25年度は+2.4%の増益計画となっているが、コスト負担増や世界経済の先行き不透明感等が影響してか、26年度は▲1.0%と減益に転じる計画となっている。このことから、4月下旬からの決算発表では、多くの業種で来年度減益計画が出てくることが予想される中、増益計画が打ち出される業種には注目が集まるものと推察される。
大幅増収期待の「石油・石炭製品」「繊維」「電気機械」
以下では、4月下旬からの決算で、来季売上高計画で高い増収率が期待される業種を見通してみたい。(図表2)は業種別売上高計画(全規模)を25年度と26年度の前年比で比較したものである。

結果を見ると、26年度は「非鉄金属」「農林水産」「鉱・採石、砂利採取」以外の業種で増収計画となっている。中でも、増収率が高い業種は「石油・石炭製品」「繊維」「電気機械」「生産用機械」「不動産」となっている。
まず、「石油・石炭製品」を詳細に見ると、イラン情勢緊迫化に伴い鉱物性燃料価格が上昇していること等からすれば、価格転嫁に伴う製品価格上昇等が増収計画に寄与していることが推察される。
一方「繊維」については、大幅増益計画にもなっていることからすれば、半導体関連材料を中心とした高機能品の需要拡大に加え、原油価格上昇に伴う価格転嫁が見込まれていることが予想される。
他方、「電気機械」や「生産用機械」については、データセンターや車載向けを中心とした電子部品や半導体製造装置需要の拡大に加え、ITサービスや防衛・エネルギー関連に対するさらなる需要の増加が期待されていることが推察される。
なお、不動産については、賃料の上昇などに伴うさらなる不動産価格の上昇が見込まれていることが予想される。
「木材・木製品」「医療、教育」「パルプ・紙加工品」で大幅増益計画
続いて、経常利益計画から26年度の業績拡大が期待される業種を見通してみよう。結果を見ると、多くの業種で減益計画となっており、これは年度明け前の企業の慎重な見通しや諸々のコスト増懸念が主因と推察される(図表3)。

こうした中、増益率が高い業種は「木材・木製品」「医療、教育」「パルプ・紙加工品」「繊維」「金属製品」であり、いずれも20%を大きく上回る増益計画となっている。
特に「木材・木製品」や「パルプ、紙加工品」「繊維」「金属製品」については、いずれも増収計画にもなっていることからすれば、製品の輸出が好調なことに加え、諸々の供給不足などにより価格転嫁が進んでいること等から、増収増益が期待されていることが推察される。
また、大幅増収計画の「医療、教育」も3割前後の増益計画となっている。こちらは高校授業料無償化などもあることから、堅調な需要を受けて強気な計画になった可能性がある。
なお、日銀が4月2日に公表する3月短観の業種別収益計画(大企業)は、法人企業景気予測調査に比べて聞き取りのタイミングが若干遅いことから、3月短観における大企業の収益計画も期末決算と来期業績見通しを読み解く手がかりとして注目したい。
永濱 利廣
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

