インドは中国を超えるのか インドは中国を超えるのか

米中電撃合意も中国企業のマインドは「薄曇り」の模様

~需要を伴わない生産拡大が景気底入れを促すか、米中関係や世界経済には不透明要因が山積~

西濵 徹

要旨
  • 米中摩擦の行方は世界経済と国際金融を揺るがしている。先月の米中協議を経て報復関税は撤廃されるなど関係改善の兆しはみられたが、依然として米中関係の行方は見通せない状況が続く。世界の二大経済大国の関係を巡る不透明感は、世界貿易の停滞を通じて世界経済の足かせとなることが懸念される。

  • 関係改善の兆しがみられたが、5月の製造業PMIは49.5と好不況の分かれ目を下回るなど依然厳しい状況にある。生産活動はわずかに回復するも、内・外需双方で受注は低迷するなど需要の回復は遅れている。ディスインフレ圧力の根強さや雇用回復の遅れもみられるなど、個人消費の低迷が続く可能性は高い。一方、非製造業PMIは50.3と50を上回るも前月からわずかに低下しており、不動産不況が建設業の足かせとなる展開が続く。サービス業はわずかに回復するも、先行きの需要回復は見通せない状況が続く。ディスインフレ圧力の根強さや雇用回復の遅れが個人消費の低迷を示唆する動きも確認されている。

  • 5月の総合PMIは底打ちしているが、これは需要を伴わない生産拡大がけん引役となっている可能性がある。中国経済の構造的な問題の根強さに加え、ディスインフレ圧力の深刻化、世界への「デフレの輸出」といった混乱を招く可能性はくすぶる。その結果、米中関係の改善は見通せないとともに、世界経済の混乱が長期化していく可能性にも引き続き警戒が必要になると捉えられる。

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西濵 徹

にしはま とおる

経済調査部 主席エコノミスト
担当: アジア、中東、アフリカ、ロシア、中南米など新興国のマクロ経済・政治分析

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