米国 25年1月小売売上高が下振れ、金利低下

 ~雇用、所得、資産残高が増加しており一時的な下振れ~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年1月の小売・飲食サービス売上高は、前月比▲0.9%(前月同+0.7%)と減少に転じ、市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の同▲0.2%(筆者予想同▲0.3%)を下回った(11、12月合計0.2%上方修正)。23年3月前月比▲1.1%以来、約2年ぶりの大幅な減少となった。この結果を受け、FF先物は利下げ織り込みを強め、2年国債利回り、10年国債利回りは低下した。
  • 1月は、自動車がインセンティブの削減で減少したほか、無店舗小売が昨年末にかけての積極的な販促による売上増加の反動によって減少に転じた。また、暴風雪などの悪天候等も押し下げ要因となった。もっとも、堅調な雇用情勢、実質給与所得の増加、消費者マインドの安定、資産残高の増加等、消費を取り巻く環境は良好なことから、小売売上は拡大基調を維持していると判断される。
  • 主要13業態のうち、拡大は4業態(前月12業態)と減少し、縮小が9業態(前月1業態)に増加した。 1月小売・飲食サービス売上高(前月比▲0.88%、前月同+0.72%)の主要13業態の前月比寄与度をみると、押し下げ寄与の業態は、大きい順に、自動車・同部品(▲0.55%、同+0.18%)、無店舗小売(▲0.32%、同+0.11%)、建設資材(▲0.07%、同▲0.09%)と続いた。
  • 他の分類では、自動車を除く小売・飲食サービス売上高が前月比▲0.4%(前月同+0.7%)と市場予想中央値の同+0.3%(筆者予想同+0.2%)に反して減少した。また、GDPの算出に使用されるコントロール・グループ(自動車・ガソリン・建材・飲食店を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比▲0.8%(前月同+0.8%)と市場予想中央値の+0.3%に反して減少した。 さらに、小売売上高の基調を判断するうえで重要なコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比▲0.5%(前月同+0.7%)と減少した(11、12月合計0.1%上方修正)。コア小売売上高は、3ヵ月移動平均・3ヵ月前対比年率で+4.0%(前月+5.3%)とプラス幅を縮小し、四半期では前期比年率+0.1%と10-12月期の同+5.3%から大幅に減速している。
  • 1-3月期の実質個人消費は、実質給与所得の増加、マインドの改善、企業の販促、資産効果等によって支えられるものの、年初の落ち込みのほか、政策など先行き不安感の高まり、節約志向の強まりによって、前期比年率で+2%台(10-12月期同+4.2%)に減速すると予想される。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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