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2026.05.22
米国経済
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米国:大幅増の反動により住宅着工は減少(26年4月)
~一戸建ての許可減少など建設コスト高による先行き不透明感は継続~
桂畑 誠治
- 目次
1.住宅着工は前月の大幅増の反動で減少も予想を上振れ
26年4月の住宅着工件数(季節調整済、年率換算)は146.5万戸となり、前月比▲2.8%(前月:150.7万戸、同+12.0%)へと減少した。これは、市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の141.0万戸(同▲5.3%)を上回る結果である。
内訳をみると、着工の基調を示す「一戸建て住宅着工件数」が93.0万戸、前月比▲9.0%(前月:102.2万戸、同+10.7%)と減少した。背景には、販売の伸び悩み、資材コストの高騰、労働力不足といった構造的制約が根強く存在している。一方、「集合住宅の着工件数」は53.5万戸、前月比+10.3%(前月:48.5万戸、同+14.7%)と大幅な増加が続いた。月次での変動は大きいものの、深刻な在庫不足と穏やかな天候に支えられ、トレンドとしては着実に水準を切り上げている。
地域別では、最大市場である南部が大幅に減少した一方、中西部および西部が増加したほか、北東部は大幅な増加となった。慢性的な在庫不足に加え、例年より穏やかな天候下で、州政府による用途地域制限の緩和を受けた集合住宅プロジェクトが進展したことが寄与している。特に空室率が低い北東部での強い需要が、全体の押し上げに繋がった。
2.許可件数はコスト増への強い警戒感等を背景に先行きの不透明感が継続
先行指標となる4月の住宅建設許可件数(季節調整済、年率換算)は144.2万戸、前月比+5.8%(前月:136.3万戸、同▲11.5%)と、着工件数とは対照的に増加に転じた。内訳は、一戸建てが87.2万戸、同▲2.6%(前月:89.5万戸、同▲3.7%)と減少が続いた一方、変動の激しい集合住宅が57.0万戸、同+21.8%(前月:46.8万戸、同▲23.4%)と前月の反動で大幅な増加を記録した。

地域別では、西部が減少を続けたが、南部、北東部、中西部で許可件数が増加している。集合住宅で持ち直しの動きが出た一方、一戸建てでは建設業者が先行きに対して慎重姿勢を崩さず減少を続けており、許可件数は一戸建て主導で緩やかな減少傾向を辿っている。
3. 住宅市場は不確実性の高まりや高い金利を背景に停滞感が漂う
現在の住宅建設を取り巻く環境は、不確実性の高まりや高い金利を背景に停滞感が漂う。金利の高止まりや価格上昇に伴う販売鈍化で在庫が増加していることに加え、トランプ政権による関税賦課や不法移民取り締まり強化を巡る懸念が、建設コストの増大や需要減退のリスクとして意識されている。こうした背景から、業者は新規着工に対して慎重なスタンスを維持している。
4.先行き底堅い需要と供給制約が相克
26年の住宅販売は、住宅ローン金利の限定的な低下や実質所得の拡大、建設業者による販促策などにより、小幅な増加が見込まれる。しかし、トランプ関税による資材価格の上昇懸念や、移民規制強化に伴う労働力不足・人件費高騰が、供給側の強い下押し圧力となる。建設業者の悲観的な見方は維持される可能性が高く、26年の一戸建て住宅着工件数は前年比+1%程度(25年前年比▲1.1%)の僅かな拡大にとどまる見通しである。



桂畑 誠治
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
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経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
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