米国経済の堅調とインフレ鈍化が継続(24年3QGDP)

~引き続き個人消費が成長の牽引役~

桂畑 誠治

要旨
  • 24年7-9月期の実質GDP成長率(3次推計)は、在庫投資の押し下げによって前期比年率+2.8%(4-6月期同+3.0%)と減速し、市場予想の同+2.9%を下回った。しかし、実質国内最終需要が同+3.5%(同+2.8%)と加速しており、米国経済は堅調さを維持した。また、7-9月期のPCEコアデフレーターが前期比年率+2.2%(同+2.8%)と鈍化、インフレ圧力の緩和が示された。
  • 7-9月期の住宅投資は、販売鈍化やハリケーン襲来の影響等によって前期比年率▲5.1%(4-6月期同▲2.8%)とマイナス幅を拡大した。また、設備投資は、同+3.3%(同+3.9%)と減速した。増産投資が同+7.4%(同▲4.1%)と増加に転じたほか、AI需要の高まりを背景に情報化投資が加速した一方、建設投資が同▲4.0%(同+0.2%)と減少に転じたうえ、知的財産投資が低い伸びにとどまり、輸送機器投資が同+25.9%(同+41.4%)と大幅に鈍化した。 一方、個人消費は、前期比年率+3.7%(4-6月期同+2.8%)と高い伸びに加速した。サービスが小幅鈍化したものの、自動車などの耐久財や食品・飲料などの非耐久財が大幅に加速した。個人消費は、良好な雇用・所得環境、株価や住宅価格の上昇による資産効果、消費者マインドの安定等を背景に、拡大ペースを速めた。以上より、民間国内最終需要は、同+3.2%(同+2.7%)と高い伸びに加速し、民間需要の好調持続を示した。さらに、政府支出が同+5.0%(同+3.1%)と加速し高い伸びとなったことで、実質国内最終需要が同+3.5%(同+2.8%)と国内需要が好調さを維持した。 このような中、純輸出のGDP寄与が、輸出の大幅な加速によって前期比年率▲0.56%(4-6月期同▲0.90%)とマイナス幅を縮小した一方、在庫投資のGDP寄与が同▲0.17%(同+1.05%)とマイナスに転じたため、実質GDP成長率は同+2.8%(同+3.0%)と小幅減速した。
  • 年内の米経済は、労働市場の逼迫緩和を受け所得の増加ペースが鈍化するほか、引き締め的な金融環境が継続する中、株資産、不動産資産の増加等を背景に、個人消費は緩やかな拡大を続けるとみられる。一方、住宅投資は人手不足もあり弱い状況が続こう。また、設備投資は政策の先行き不透明感によって抑制されると見込まれ、10-12月期の実質GDPは前期比年率+2%程度の伸びに減速すると予想される。それでも、24年の米経済成長率は、年内の高い成長や23年からの下駄によって前年比+2.7%と23年の同+2.5%を上回る公算が大きい。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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