企業物価指数(2024年9月)

~コメ価格の押し上げで事前予想を上回る~

大柴 千智

要旨
  • 9月の国内企業物価は、前年比+2.8%、前月比0.0%となり、事前予想を上回る結果となった。9月は、「酷暑乗り切り緊急支援」として政府の電気・ガス代に対する補助が再開したこともあり、前年比上昇率は前月からやや縮小するとみる予想が多い中、前年比は+0.2%pt拡大した。「精米」を中心とした農林水産業が前年比で大幅に上昇し、企業物価全体を押し上げた。

  • 輸入物価指数は、契約通貨ベース(前年比▲0.4%)、円ベース(同▲2.6%)ともに前年比マイナスに転じた。8月以降は世界的な原油価格相場(ドバイ)が緩やかに低下していたことや、円高が進んだことで為替要因の押し下げが続いた。

  • 先行きの国内企業物価は、年内は2%台後半から半ばでの推移を見込む。補助金政策による下押しの一方、昨年同時期に下落していたの裏が出ることで電気・ガス代は高止まりが続くだろう。もっとも、エネルギー以外では、一時より価格転嫁が落ち着いたことに加えて、円安修正による輸入コストの一服で、緩やかな鈍化傾向が続く可能性が高い。企業物価は原油価格や為替レートの影響を大きく受けやすいことから、これらの動向次第ではあるものの、先行きも緩やかな鈍化が続くことで25年春には再び2%を割る可能性もあるとみる。

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大柴 千智

おおしば ちさと

経済調査部 副主任エコノミスト(~25年3月)
担当: 日本経済短期予測

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