- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを4-6月に修正するだろう。長期金利の変動許容幅拡大を見込む。
- FEDはFF金利を5.25%(誘導幅上限)まで引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国株はまちまち。S&P500は+0.1%、NASDAQは▲0.0%で引け。VIXは19.0へと上昇。
- 米金利はベア・フラット化。予想インフレ率(10年BEI)は2.275%(+1.3bp)へと上昇。実質金利は1.139%(+1.4bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は▲59.9bpへとマイナス幅拡大。
- 為替(G10通貨)はUSD高基調。USD/JPYは133後半へと上昇。コモディティはWTI原油が79.7㌦(▲1.0㌦)へと低下。金は1989.1㌦(▲22.8㌦)へと低下。
経済指標
- NY連銀調査によると3月に消費者の1年先の予想インフレ率は+4.75%へとやや急激な上昇を示した。食品価格の上昇が続く中、ガソリン価格の低下一服が影響した可能性が指摘できる。他方、3年先は+2.78%へと小幅に上昇したものの、水準は低位で安定している。
注目点①
- 植田総裁の就任会見は金融政策に関する具体的な言及はなかった。もっとも、「現行のYCCは継続が適当」、「現状では大規模な金融緩和を維持する」、「黒田総裁の就任時、黒田総裁は、私ならできなかった大きな決断をした」などと黒田体制を前向きに評価する発言が多くあり、その点において筆者が想像していたよりも黒田路線の継続を匂わせるものであった。4月会合での政策修正の可能性はやや後退した印象。現段階でYCCの修正は6月会合が有力視される。
注目点②
- 昨日発表された3月の景気ウォッチャー調査は、日本の内需の底堅さを再確認させる結果であった。欧米対比で良好な景気の方向感は、日本株の相対優位に繋がる可能性がある。

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現況判断DIは53.3へと1.3ptの改善を示し、先行き判断DIに至っては54.1へと3.3ptも上昇し節目の50を超えた。2ヶ月連続で現状と先行きが共に50を上回った。身近なモノが値上がりし家計を圧迫する一方、コロナ禍において自粛を迫られてきた消費が回復し、景気の肌感覚が改善したとみられる。
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現状判断DIは家計動向関連が53.7へと0.8pt上昇。小売(51.3)が底堅さを維持する中、飲食(62.5)とサービス(57.9)が異例とも言える高水準に到達。住宅(45.9)も持ち直しの兆しがみられる。値上げ影響による個人消費の下押し圧力は残存するものの、それを訪日外客数の回復や各種イベント再開が相殺する構図にあり、全体として経済活動が回復していることに疑いの余地はない。企業関連は51.1へと2.4pt回復し50を回復。製造業(50.4)と非製造業(52.0)が共に50を上回った。雇用関連は55.6へと3.0ptもの改善を示し、労働需給の引き締まりを印象付けた。

- 先行き判断DIは家計動向関連が54.3へと3.0pt上昇。小売(52.4)、飲食(60.7)、サービス(57.9)が揃って50を回復した。これは類似指標の消費者態度指数の改善とも整合的で家計の前向きな動きを映じている。企業関連は52.9へと4.5ptもの上昇を記録。製造業(52.7)と非製造業(53.6)が共に50を上回った。雇用関連は55.4へと2.5pt上昇。国内景気の回復に伴い労働集約的な産業(宿泊、飲食、建設等)を中心に人手不足感が深刻化しているとみられる。

- 景気ウォッチャー調査は速報性に優れていながら、予測精度が高いことが知られておりGDP(具体的には在庫を除いた「最終需要」)との連動性が認められている。また株価についても景気ウォッチャーが改善傾向にある時、日本株が米国株に対して優位となるという一定の関係があり、これで2022年以降の日本株優位を一部説明することができる。株価が景気ウォッチャー調査に影響を与えているという逆の因果関係も否定はできないが、2022年以降の日本経済は米国対比で方向感が良いのは事実であり、そうした景気認識に基づいて日本株が選好されている可能性が高いと筆者は考える。


藤代 宏一
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