- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを4-6月に修正するだろう。長期金利の変動許容幅拡大を見込む。
- FEDはFF金利を5.25%(誘導幅上限)まで引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国株は休場。
- 米金利はベア・フラット化。予想インフレ率(10年BEI)は2.262%(+1.5bp)へと上昇。実質金利は1.124%(+7.0bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は▲53.2bpへとマイナス幅拡大。
- 為替(G10通貨)はUSD高基調。USD/JPYは132前半へと上昇。
経済指標
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5月FOMCの利上げを予想する上で注目されていた3月米雇用統計の結果は、利上げ停止を催促するほど弱くなかった。
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雇用者数は前月比+23.6万人と市場予想に概ね一致して3ヶ月平均では+34.4万人となった。事前に公表されていたマクロ指標(求人件数、失業保険申請件数、ISMなど)の多くが労働市場悪化を示唆していたこともあって一部では雇用統計の大幅悪化が予想されていたが、少なくとも3月分においてそれは杞憂に終わった。業種別にみると人手不足のきついレジャー・ホスピタリティ(宿泊・飲食業、+7.2万人)が順調に増加したほか、教育(+6.5万人)、運輸(+1.0万人)などが堅調。政府部門(+4.7万人)も強かった。反対に小売(▲1.5万人)や建設(▲0.9万人)、製造業(▲0.1万人)が減少。

- 失業率は3.5%へと低下(3.57%→3.50%)。過去数ヶ月、狭い範囲内で推移している。失業者を広義の尺度で捉えて算出するU6失業率(フルタイムの職が見つからず止む無くパートタイム勤務に従事している人を失業者と見なす)も6.7%へと低下した。過去数ヶ月、企業が人件費増加に及び腰となる中、フルタイム労働への就職がやや困難になっている傾向が浮かび上がっていたが、3月はフルタイム労働者の比率が上昇した。企業は「背に腹は代えられぬ」として労働力確保を優先しているとみられる。
- 注目の労働参加率は62.62%へと0.14%pt上昇。これが3月雇用統計で最大の収穫であろう。4ヶ月連続で労働市場の「厚み」が増し、人手不足感が緩和する方向にある。年代別にみると働き盛り世代の25-54歳(83.1%)がパンデミック発生前を凌駕した水準を維持する中、55歳以上(38.4%→38.6%)が2ヶ月ぶりに回復。人手不足の主因になっている55歳以上の労働参加率回復は遅々としておりパンデミック発生前後の断層はなお大きいが、それでも低下に歯止めがかかったことは素直に好感される。
- 賃金インフレの帰趨を読む上で重要な平均時給は前月比+0.3%、前年比+4.2%となった。前月比の伸びは加速したが、瞬間風速を示す3ヶ月前比年率(3ヶ月平均)の伸びは+3.8%と下向き基調を強めており、賃金インフレは下火になりつつある。これはインフレ退治を最優先課題とするFedにとって間違いなく朗報である。また週平均労働時間は34.4時間へと一段と短縮化。過去数ヶ月、速報値段階の数値が大幅に変動し基調が読みにくくなっているため参考値程度の扱いに過ぎないが、企業の人手不足感が和らいでいる可能性がある。
- 3月雇用統計では、労働参加率の上昇を伴った雇用者数の増加が続き、Fedの悩み事である賃金インフレも快方に向かっていることが示された。筆者の結論として3月の結果は「利上げ停止を催促するほど弱くなかった」という認識である。5月FOMCでは25bpの追加利上げが決定され、FF金利(誘導目標上限値)は5.25%となろう。インフレ再加速の兆候が限定的ならば、金融システムへの配慮などから、そこで利上げ打ち止めとなるだろう。
藤代 宏一
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