- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを年内に修正するだろう(暫定)。
- FEDはFF金利を5.25%(誘導幅上限)まで引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国株は下落。S&P500は▲0.6%、NASDAQは▲0.5%で引け。VIXは19.0へと上昇。
- 米金利はブル・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.255%(▲4.2bp)へと低下。実質金利は1.079%(▲3.0bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は▲49.1bpへとマイナス幅縮小。
- 為替(G10通貨)はUSD安傾向。USD/JPYは131後半へと下落。コモディティはWTI原油が80.7㌦(+0.3㌦)へと上昇。銅は8751.0㌦(▲166.0㌦)へと低下。金は2022.2㌦(+38.3㌦)へと上昇。
経済指標
- 3月米新車販売台数は1482万台(季節調整済年換算)となった。供給制約の段階的解消に伴い緩やかながらも増加を続けている。

注目点
- 2月米JOLTS求人件数は前月比▲6.0%、993万件と市場予想(1050万件)を下回り、2021年5月以降で初めて1000万件の大台を下回った。パンデミック発生前との比較では異例の高水準にあるとはいえ、既往の金融引き締めを受けた景気減速がいよいよ労働市場に波及してきたことを印象付ける。2月は建設や娯楽など一部の業種は増加したが大半の業種が減少した。

- 失業者数に対する求人件数の割合(≒求人倍率)も1.67倍へと低下。企業は人手不足感を認識しつつも労働コストの高止まりに嫌気が差し、採用意欲が衰えていると推察され、こうした姿はNFIB中小企業調査で既に浮き彫りとなっている。同調査の質問項目に目を向けると「労働者不足を認識する企業の割合」が高止まりする一方で「雇用」や「人件費」を問う項目は明確にピークアウトしており、パンデミック発生前の水準を下回っている。労働者不足に直面した企業は縮小均衡を選択せざるを得ない状況にあると言える。
- 賃金の先行指標として注目される自発的離職率は2.59%へと小幅に上昇も、3ヵ月平均では2.58%へと0.03%pt低下した。依然として求職者優位の構図にあるとはいえ、その度合いは緩やかに弱まっており賃金上昇圧力の減衰を示している。この指標が平均時給に約1年の先行性を有していることに鑑みれば、賃金上昇を原因とするインフレは次第に沈静化すると考えるのが自然だろう。

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もっとも、Fedが1年も先の賃金インフレ低下に自信を深め、目先の政策態度を調整するかと言えば、その可能性は低い。その点やはり重要になってくるのは雇用統計であろう。7日に発表される3月分は雇用者数が前月比+24.0万人、失業率は3.6%で横ばい、平均時給は前月比+0.3%、前年比+4.3%と予想されている。大きく見れば労働供給が充足される下で賃金上昇圧力が和らぐという姿だが、労働参加率の断層が一向に埋まらない中、賃金の異常値的上昇は続く見込みでありインフレ退治の勝利宣言は時期尚早であろう。
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FF金利先物は年後半の利下げ開始を想定し2024年1月FOMCまでに1%超の利下げを織り込む水準にある。この間、政策金利の見通しを反映する2年金利は4%を明確に割り込んでいる。その点、直近発表されたJOLTS求人統計やISM製造業の弱さはFedのハト派傾斜を見込む市場参加者の予想を支持する結果となり金利低下・株高に一役買った。だが、ここへ来てふと疑問に思うのは利下げの織り込みを一気に加速させた金融不安が一服していること。3月FOMCで「継続利上げ」のフォワードガイダンスが削除されたのは、その直前に発生した2行の破綻がきっかけであったが、株価指数(銀行株は例外)は破綻前の水準を回復するなど金融市場は楽観を取り戻している。雇用統計がインフレ的な結果となれば、5月FOMC(2-3日)に向けて利下げ期待が剥落し、株価の調整気配が強まる可能性がある。

藤代 宏一
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