- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月137程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを年央までに終了するだろう。
- FEDは23年3月までにFF金利(誘導目標上限値)を5.0%へと引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国株は上昇。NYダウは+1.1%、S&P500は+1.5%、NASDAQは+1.7%で引け。VIXは19.4へと低下。
- 米金利はカーブ全般で金利低下。債券市場の予想インフレ率(10年BEI)は2.246%(▲4.2bp)へと低下。実質金利は1.259%(+1.2bp)へと上昇。
- 為替(G10)はUSDが中位程度。USD/JPYは130近傍で一進一退。コモディティはWTI原油が78.9㌦(+1.0㌦)へと上昇。銅は9222.5㌦(+12.5㌦)へと上昇。金は1929.5㌦(+6.6㌦)へと上昇。
注目点①
- Fedが最も重視する賃金指標の一つである米雇用コスト指数(22年Q4)は前期比+1.0%と市場予想(+1.1%)を下回った。前年比では+5.1%と高止まりしたが、前期比年率では+4.0%へと減速し賃金インフレ沈静化を示した。もっとも、2019年以前の基調からは大幅に上方乖離している。パンデミック発生前の状態に戻るには労働市場の歪みが解消される必要がありそれには相応の時間を要する。この指標が物価の基調を表すとされる刈込平均CPIと連動性を有してきた事実を踏まえるとインフレ沈静化への道のりがなお険しいことがわかる。
- 11月ケース・シラー住宅価格指数は前月比▲0.54%と5ヶ月連続低下。前年比では+6.77%まで伸び率鈍化。瞬間風速を示す3ヵ月前比年率の伸びは▲9.1%と明確なマイナス圏にある。遅効性のあるCPI家賃が鈍化するのは2023年前半と予想される。
- 1月CB消費者信頼感指数は107.1へと12月から1.9pt低下。現況(147.4→150.9)が改善した反面、期待(83.4→77.8)が低下した。雇用の先行指標として有用な雇用判断DIは+36.9へと上昇。労働市場は依然として労働者(求職者)優位の構図にある。
注目点②
- 1月の中国PMIを見る限り中国経済は鋭い回復基調にあると判断される。ゼロコロナ戦略の撤廃を受けて銅や鉄鉱石など中国に関連の深いコモディティ価格は12月から早くも上昇に転じていたが、製造業PMIはそうした動きに追随する形となった。ヘッドラインは50.1へと3.1ptも回復。例年より早い春節(1月22日開始)によって1月の生産活動が抑制された可能性があることを踏まえると、実勢はもう少し強かった可能性すらある。内訳に目を向けると生産(49.8)、新規輸出受注(46.1)、受注残(44.5)など主要項目の多くは50を下回ったものの、新規受注(50.9)が大台を回復したほか、中間投入を示す購買品在庫(50.4)が上昇。ここから判断すると春節後の生産活動は一段の改善が期待される。同時に発表された非製造業PMIは54.4と4ヶ月ぶりに50を回復。春節前の旅行予約などを主因に前月比では+12.8と鋭角に改善し「非連続的」な変化が確認された。

- 世界のインフレを遮断した中国は、欧米の金融引き締めをよそに緩和的な金融政策を継続してきた。不動産市況の低迷を筆頭に経済活動が広範に落ち込む中で、社会融資総量(新規増分)が頭打ち感を強めるなどやや不気味な指標もあるが、銀行の貸出態度は政策当局の意向を反映し緩和的な方向にあり実際、融資承認DI(指数上昇は銀行の融資基準が緩くなっていることを意味する)はパンデミック発生前を明確に上回る水準にある。このように金融環境が緩んでいる状態で、ゼロコロナ戦略の撤廃によって経済活動の足かせが外れたのであれば、中国経済の回復それ自体は確度が高い。
- 問題はそれが投資家の期待を上回るか否かであるが、少なくとも過去の日本株は信用拡大を伴った中国経済回復を素直に評価してきたようにみえる。中国国内における新規貸出のGDP比をとったクレジットインパルスに対して日本株は6~12ヶ月遅れて追随してきた経緯があり、今回も「中国の回復期待」を追い風に同様の軌跡を辿る可能性がある。春節明けの2月データが公表される3月に向けて株式市場では中国経済(および訪日旅行再開)に対する期待が膨らみそうだ。

藤代 宏一
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