- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月66,000円程度で推移するだろう
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
- 日銀は利上げを続け、政策金利は26年6月に1.0%、27年7月に1.5%超となろう
- FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう。
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筆者が世界景気と日本株の先行きを読むために、定点観測する工作機械受注統計(日本工作機械工業会)は離陸を果たし、高度を上げる段階に移行している。昨年後半以降、通商政策の不透明感が後退する中、半導体需要に裏打ちされた米国向けと中国向けの需要に加速感がみられる。この間、国内の設備投資計画も堅調であることを踏まえると、全体として回復傾向が頓挫する可能性は低い。
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6月9日に発表された2026年5月の受注額(原数値)は1,768億円であった。前年比では+37.4%とやや伸び率縮小も、5ヶ月連続で20%超の伸びを達成した。筆者作成の季節調整値(以下同じ)は前月比▲3.7%と反動減が観察されたものの、3ヶ月平均値では+4.5%と力強い成長軌道にある。単月の内訳は「国内向け」の季節調整済み前月比が▲3.6%、前年比では+36.4%と強さを維持した。人手不足と建設コスト増が足かせとなり、設備投資の進捗は遅々としているものの、企業の設備投資意欲は強い。関連指標の機械受注に目を向けると、受注残高および手持ち月数が積み上がっている。この間、「外需」は前月比▲3.7%と減少したが、3ヶ月平均では+4.1%と力強い増加基調にあり、前年比でみても+37.7%と明確な上昇基調にある。地域別詳細は確報を待つ必要があるが、4月までの傾向から判断すると中国と米国向けが増加基調を維持したとみられる。
- 日本の工作機械受注は、そのサイクルがグローバル製造業PMIやアナリストの業績予想(TOPIX予想EPS)と連動性を有する。5月のグローバル製造業PMIは52.6と、好不況の分岐点とされる50を10ヶ月連続で上回った。通商政策の不透明感が後退する中、AIの爆発的な需要に裏打ちされ、新規受注の回復が継続し、世界的に景況感の改善がみられている。ホルムズ海峡の事実上の封鎖によるサプライチェーンの乱れから、駆け込み需要が発生している可能性に留意する必要はあるが、世界全体でみれば景況感の回復が明確化している。そうした下でTOPIXの予想EPSは、半導体需要と企業の資本効率改善に向けた取り組みが奏功していることも相まって拡大基調を維持している。
- 製造業PMIを地域別にみると、日本は54.5へと0.6pt低下したものの、強さを維持した。半導体関連製品の引き合いが強いなか、自動車生産も緩やかながら回復基調にある。この間、個人消費も復調の気配がある。日銀が算出する実質消費活動指数は、耐久財の増加によって持ち直しつつある。IT関連財の生産集積地である台湾は56.1へと0.8pt上昇。輸出統計との方向感相違は解消に向かっており、景況感の回復は広がりをみせている。韓国は54.8へと0.8pt上昇し、約6年ぶりに高水準に到達。半導体関連価格が急騰するなか、大手メーカーが増産を急いでいることから、その波及効果が窺われる。
- 米国は55.1へと0.6pt上昇。米国内におけるAI関連投資が隆盛を極めるなか、その恩恵が広がりを持ちつつあることを示唆している。データセンター投資は半導体に限らず建設、電力インフラ、冷却装置といった業種に波及効果をもたらしている。ユーロ圏は51.6へと0.6pt低下した。ドイツが50.1、フランスは49.7とそれぞれ低下した。

- 中国は51.8へと0.4pt低下した。AIの内製化に取り組み民間の投資に加えて、不動産市況の悪化やトランプ関税への対策として中国当局が景気対策を強化しており、一方的な減速は回避されている。もっとも、中国当局の政策態度を映じるとされるマネー関連統計に目を向けると、4月の社会融資総量(新規フローの12ヶ月平均値)は前月比▲1.5%と2ヶ月連続で減少し、残高は前年比+7.8%へと減速した。新規融資のGDP比(前年差)をとった通称クレジットインパルスも▲2.2ptと下を向いた。この指標が日本株の先行指標として機能してきた経緯を踏まえると、風向きは悪くなっている。

- 工作機械受注サイクルの位置取りを確認するために、縦軸に受注額の水準(36ヶ月平均値からの乖離)、横軸に方向感(6ヶ月前比)をとった循環図をみると、2025年央までは中心点付近で小さな渦を描いた後、2026年入り後は右上領域に向けてはっきりと歩み出している。過去の経験則に従うなら今後も右上方向に進路をとると予想され、回復傾向がはっきりとしてくるだろう。半導体需要に裏打ちされた設備投資は、今後しばらくは増勢を強めると予想される。もっとも、循環図が左方向に進む頃に、相場は下降局面を織り込みにいくのが過去の経験則である。シリコンサイクルが何合目に位置するのか、その目安を探る意味でもこの指標を定点観測していく。

藤代 宏一
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。











