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- ドラギ政権が崩壊の危機
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- 物価高騰の負担軽減措置を巡って、ドラギ首相が率いる政権が崩壊の危機に瀕している。14日の内閣信任投票で五つ星運動が政権支持を取り止める可能性を示唆。五つ星運動が政権協力を取り下げる場合、ドラギ首相が辞任する意向を伝えている。来年の議会任期満了を待たず、議会の解散・総選挙で右派ポピュリスト政権が誕生する恐れがある。
イタリアでは物価高騰による家計負担の軽減措置を巡って、前ECB総裁のドラギ首相が率いる挙国一致政権が崩壊の危機に瀕している。ウクライナへの武器供与を巡って6月に党が分裂した左派ポピュリスト政党「五つ星運動」は、14日に予定される内閣信任投票で政権を支持しない可能性を示唆している。家計負担軽減に関する法案の可決は五つ星運動の協力なしでも可能だが、ドラギ首相は五つ星運動が参加しない形での政権維持が難しいとし、同党が信任投票に参加しない場合、首相を辞任する可能性を示唆している。五つ星運動は最低賃金の導入など政府の物価高騰支援策の修正を求めており、こうした要求が通らない限り、内閣信任投票を棄権するとしている。ドラギ首相と五つ星運動を率いるコンテ前首相の間で話し合いが続けられている。歩み寄りが見られない場合、ドラギ首相の辞任や政権崩壊で議会の解散・総選挙が前倒しされる可能性が浮上する。最近の世論調査では引き続き、主要政党で唯一ドラギ政権を支持していない右派ポピュリスト政党「イタリアの同胞」がリードしている。次の総選挙後は、同盟やフォルツァ・イタリアとともに、EUに懐疑的な右派の連立政権を発足する可能性が高い。財政運営や復興基金の追加拠出を巡って、イタリア不安が再燃する恐れがある。
五つ星運動がドラギ政権から距離を置こうとしているのは、来年に議会任期満了に伴う総選挙が予定されるなか、低迷する支持回復を目指した動きと考えられる。先月、ウクライナへの武器供与を巡って政権支持を表明したディマイオ外相等が五つ星運動を離党して以降、党内は2016年の政権奪取以前のように反エスタブリッシュメント色を強めている。もっとも、支持率が低迷する五つ星運動は、必ずしも早期の解散・総選挙を望んでいる訳ではない。必要な妥協をすることや、政府の物価高騰支援策に棄権票や反対票を投じつつも、今後の政権運営での支持継続を表明する可能性がある。また、政治不安の再燃を恐れ、議会の解散権を持つマッタレッラ大統領が早期解散に応じず、秋の予算案成立や来年の議会任期満了までドラギ首相に続投を求めることや、ドラギ首相自身が五つ星運動の政権協力が得られなくても首相続投を決断する可能性もある。ただ、早期の政権崩壊と解散・総選挙が回避されたとしても、今回の五つ星運動のように次の総選挙を睨んで政権から距離を置こうとする政党が増えつつある。イタリアの政治不安を一掃し、復興計画の実現やコロナ危機対応を進めてきたドラギ政権の寿命が尽きつつある。
田中 理
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