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【1分解説】防衛装備品移転の「5類型」とは?(救難・輸送・警戒・監視・掃海)

石附 賢実

  音声解説

日本の防衛装備移転三原則の運用指針のなかで、防衛装備品の完成品の海外移転が認められるケースとして、「救難・輸送・警戒・監視・掃海」の「5類型」が列挙されています。これらに該当しない攻撃能力が高い装備品などは、完成品の形で他国へ輸出することはできないのが原則です。

現行ルールの見直しをめぐっては、高市政権の下で5類型そのものを撤廃することが論点になっています。小泉防衛相は「我が国にとって望ましい安全保障環境の創出などのための重要な政策的手段である防衛装備移転」について、スピード感をもって対応していくと述べています。

豪州政府が導入を決めた「もがみ型護衛艦」については、5類型に当てはまらないものの、「国際共同開発・生産」の枠組みを活用することで、現行ルール上、海外移転を認め得るものと整理されています。

もがみ型護衛艦の事例に加え、英伊との戦闘機の共同開発など、「国際共同開発・生産」案件を通じたルートは既に動き始めています。5類型の位置づけをどう見直すのか、また、日本が平和国家として掲げてきた原則と防衛産業の発展及び同盟国・同志国連携をどう両立させるのか。高市政権下の議論は、今後の安全保障政策と産業政策の両面を占う試金石となりそうです。

この解説は2025年12月時点の情報に基づいたものです。

石附 賢実


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

石附 賢実

いしづき ますみ

取締役 総合調査部長
専⾨分野: 経済外交、安全保障

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