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【1分解説】リアリズム・リベラリズムとは?

石附 賢実

  音声解説

リアリズムとリベラリズムは多方面で使われる用語ですが、国際政治の世界においても頻繁に引用される2つの考え方です。リアリズムは、国際関係を国家間の力の競争として捉え、国家の安全保障と国益を最優先し、力のバランスや軍事力が重要とされます。一方、リベラリズムは国際協力の可能性を強調し、国際法や国際機関を通じて平和を促進すると主張します。

ウクライナ情勢もこれら2つの考え方から解釈することができます。リアリズムからみると、ロシアの侵略は力による自己の利益追求の一例です。ロシアの行動を許してしまうと、リアリズムが指し示す「力の支配」が国際秩序において優勢となり、リベラリズム的な法の支配や国際協力の価値が脅かされることになります。

冷戦終結以降、世界は法の支配に基づく安定した国際秩序を享受しながら発展してきました。日本もその例外ではありません。「力の支配」に基づく秩序が優勢とならぬよう、ロシアによる侵略を成功させてはなりませんが、ロシアを押し返すには力が必要であり、この状況はリアリズム的な認識を補強します。つまり、リアリズムとリベラリズムは相互に補完的な役割を果たしており、複雑な国際関係を理解する上で重要な示唆を提供しているといえるでしょう。

この解説は2024年6月時点の情報に基づいたものです。

石附 賢実


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