- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月72,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
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日銀は政策金利を26年12月に1.25%とした後、28年央までに2.0%とするだろう。
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FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう。
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日経平均株価は7月入り後に調整色を強め、28日には62,364円まで下落した。下落の背景と今後の見通しを整理する。
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日経平均株価の下落を主導したのはAI・半導体関連銘柄である。半導体製造装置、メモリ大手、電子部品メーカー、半導体部材を手掛ける化学企業、データセンター向けに電線等を提供する非鉄金属といった「つるはし銘柄」に加え、通信系投資会社の株価が軒並み急落した。これらは年初来の日経平均株価の急上昇を主導してきた銘柄であり、その反動が顕著にみられた。こうした構図は米国市場でも同様であり、世界の代表的な銘柄で構成されるSOX指数は6月に付けた高値から約25%の下落となっている(7月28日)。
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他方、AI・半導体関連銘柄の構成比が相対的に小さいTOPIX、S&P500といった株価指数の下落は限定的である。日本では、これまでAI・半導体関連銘柄に資金を吸い取られる形で下落してきた自動車が反転上昇基調にあるほか、金利上昇の恩恵が期待される金融株が底堅く推移している。また、いわゆる「SaaSの死」の文脈で売られてきたITサービス、ソフトウェア、SIer企業の株価が底打ち気配を強めている。その他では、製薬企業(ヘルスケア)も堅調に推移している。事実、NT倍率は日経平均株価が72,366円を付けた6月25日の18.0倍から7月28には15.7倍まで低下した。この間、日経平均株価は13.8%の下落に対して、TOPIXは1.3%の下落に過ぎない。

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この間、AI・半導体の成長ストーリーを大きく揺るがすような材料は出ていない。中国の半導体製造装置(露光装置)の内製化、中国AI新興企業が発表した最新モデル「Kimi K3」が最先端半導体の需要を従来モデル対比で減らすとの観測が台頭したことは確かであるが、日本勢が手掛ける製品の主要ユーザーである米系テック企業のAI投資計画が下方修正されるような事態は起きていない。
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この点について、株式市場が織り込んできた業績拡大見通しが思いのほか慎重であったことを思い出したい。たとえば、SOX指数の2年先PERは直近高値を付けた6月時点で20倍程度に過ぎず、足もとでは15倍付近まで低下している。グロース株にありがちな「遠い将来の業績拡大」を織り込む株価形成ではない。それゆえに、AI・半導体株はバリュー株であるとの評価すらあった。日経平均株価に含まれるAI・半導体株にも2~3年先のPERが20倍前後かそれ以下に過ぎない、或いは1桁の銘柄が複数ある。換言すれば、それら銘柄は将来的な減益が既に織り込まれていることになる。その点において、株価が2000年代初頭のITバブル期と同じ軌道を描いて中長期的な下落を辿るとは考えにくい。

- 向こう1~3年程度の大幅増益とそれ以降の減益が同時に織り込まれているようにみえる株価形成は、2022年頃の日本の海運株に近いかもしれない。当時、コロナ期における財需要の高まりと、サプライチェーンの乱れが重なり、運賃は高騰。それに伴いTOPIX33業種における海運業の12ヶ月予想EPSは大きく切り上がり、株価も急騰した。2023年に入り、特需は剥落していき、それに伴って予想EPSは低下するのだが、株価は予め将来の減益を織り込んでいたこともあり高値を維持した。株価が高値を維持した主因としては、やはりEPSが特需の前後で切り上がったことが大きい。これは現在のAI・半導体関連銘柄にも共通する可能性がある。もちろん、メモリや半導体製造装置、電子部品、化学品などの高価格が維持されるかは予断を許さないが、それらを手掛ける企業の業績がAI(大規模言語モデル)登場以前に後戻りするとは現時点で考えにくい。特需的な業績拡大がピークアウトした後も、高収益体質が残るとの予想が固まれば、高水準に積み上がった信用買い残など需給面での調整を終えた後、投資家の注目は再び業績拡大に移るのではないか。
藤代 宏一
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