基調判断が「改善」に上方修正(景気動向指数改訂値)

~供給面の懸念が和らぎ、景気回復基調が続く可能性高まる~

新家 義貴

基調判断が2ヵ月連続で上方修正され、「改善」に

内閣府から公表された2026年4月の景気動向指数改訂値では、CI一致指数が前月差+1.3ポイントとなり、速報段階の+1.1ポイントからやや上方修正された。速報時点では未反映だった労働投入量指数が、改訂段階でプラス寄与として加わったことの影響が大きい。

この結果、CI一致指数の基調判断は、速報段階の「上方への局面変化」から「改善」へと上方修正された。速報段階では、CI一致指数の3か月後方移動平均前月差が「0.00」となり、紙一重で上方修正基準を満たさなかった(基調判断はギリギリで据え置き(26年4月景気動向指数) ~改訂値で基調判断が「改善」に上方修正される可能性あり~ | 新家 義貴 | 第一ライフ資産運用経済研究所)が、改訂値では「+0.06」とプラスになったことで、上方修正が実現した。これにより、2月の「下げ止まり」から、3月の「上方への局面変化」、4月改訂値の「改善」へと、2ヵ月連続の上方修正である。「改善」判断は2023年12月以来、1年4ヵ月ぶりとなる。

なお、内閣府による「改善」の定義は「景気拡張の可能性が高いことを示す」であり、4月の段階でも景気回復局面が継続していることが示唆されている。イラン情勢悪化に関連して、消費者マインドの悪化や輸入物価高騰、川上段階での物価上昇など、悪影響は一部でみられるものの、それが景気を広く下押ししている様子は現時点で窺えない。景気は緩やかな回復局面にあると判断してよいだろう。

先行きも、景気腰折れは回避か

先行きについても、景気の回復ペースは鈍化しつつも、基調としては回復が続くと予想している。懸念材料としては、物価上昇が挙げられる。イラン情勢悪化を受けて既に生じた輸入物価の高騰や川上段階でのコスト上昇は、今後、時間差を伴って川下へ徐々に転嫁されていくだろう。家計部門では実質購買力が圧迫され、個人消費への下押し圧力が強まる可能性がある。一方、価格転嫁しきれなかったコストについては、企業収益の圧迫要因として悪影響が顕在化するだろう。景気の回復ペースは、当面抑制されやすい。

こうした価格面からの下押し圧力が残る一方、供給面でのリスクが足元で後退していることは大きな好材料だ。企業・政府による代替調達の進展に加え、イラン・米国間の合意により地政学的な緊張がいったん和らいだことで、調達難が幅広い業種の生産活動を大きく制約するリスクはかなりの程度和らいでいる。

このように、先行きは価格面での悪影響が景気回復ペースを抑制することが予想されるものの、供給制約の深刻化が避けられるなかで、景気が腰折れする事態は避けられるだろう。景気は今後も緩やかな回復傾向が続くと予想している。CI一致指数の基調判断も、当面は「改善」が維持される可能性が高い。

図表
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新家 義貴


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新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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