- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月66,000円程度で推移するだろう
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
- 日銀は利上げを続け、27年7月に1.5%超となろう(修正検討中)
- FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう。
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ウォーシュ議長の下で初めての6月FOMCでは大方の予想通り政策金利の据え置きが全会一致で決定され、FF金利は3.5~3.75%とされた。据え置きは4会合連続。予想されていたとおり金融政策に関する情報発信は少なくなり、次回以降の金融政策を予想することは難しくなった。金融市場では、ややタカ派と受け止められ、株式は小幅下落、金利は上昇で反応した。
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物価見通しおよびドットチャートは、タカ派的な仕上がりであった。コアPCEの見通しは2026年4Qが+3.3%へと0.6%ptも引き上げられ、2027年4Qも+2.5%へと0.3%pt上方修正された。ドットチャートは2026年の中央値が1回の利上げを示唆する方向に上方シフトした。9名の委員が、利上げが必要になると予想し、その内訳は5名が2回、3名が1回、1名が3回であった。反対に利下げは1名のみで、据え置きは8名であった。ただし、ここで最も重要な事実は中央値の上方シフトではなく、この見通しにウォーシュ議長が含まれていないことである。ドットチャートに否定的な見解を示してきたウォーシュ議長は、政策金利見通しを提示しなかった。
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ウォーシュ新議長は、金融政策の指針に関する過度な情報発信に否定的な姿勢をこれまでも示してきた。先行きの金利経路を示すと、後で経済状況が変わっても金利に関する見通しを修正しにくくなり、結果として政策決定の自由度が落ちるという問題意識を示していた。今回の記者会見でも「ドットチャートは、私には鉛筆で書かれているように見える」と皮肉った。この表現には何度も消しゴムで書き換えられた、という含意がある。ここで2年前の2024年6月FOMCで示されたドットチャートを確認すると、2025年末の予想中央値(FF金利誘導目標レンジ上限)が4.25%、2026年末は3.25%であった。当時描かれていた、インフレが落ち着き、中立金利近辺まで利下げが進むという見通しは今や実現しそうにない。大きく外している訳ではないものの、予測能力が高いかといえば、議論の余地がある。そうした問題意識から、今回の声明文ではフォワードガイダンスが削除され、全体的に簡素化された。声明文の文字数は4月が1,336字、今回は627字であった。
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ウォーシュ議長も指摘したように、金融政策の先行きに関する詳細な情報発信は危機時に有効である一方、平時には必ずしも有効ではない。政策金利の引き下げ余地が少ない状況で金融緩和の効果を最大化するためには、フォワードガイダンスやドットチャートなどを駆使して、長期金利を下押することが効果的であり、実際、リーマンショック後の数年やコロナ期においてはそうした戦略が首尾よく機能した。しかしながら、平時に回帰したここ数年、金融政策の指針を示すことの意義は薄れ、むしろ政策不透明感を高め得ることにもなった。象徴的なのは4月FOMCにおけるフォワードガイダンスを巡る意見対立であった。4月FOMCでは「目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」との文言が維持されたが、これに対してハマック・クリーブランド連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ローガン・ダラス連銀総裁が、物価の上振れリスクが高まるなかで声明文に緩和バイアスを明記することはもはや適切ではないとの理由で反対票を投じていた。
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市場参加者が警戒する展開は、Fedの情報発信が少なくなることで、長期金利が振れを伴い上昇することであろう。2022年のように金利上昇が株式の打撃になることは、大多数の投資家にとって望ましいことではない。もちろんマクロ経済にも悪い影響をもたらす。もっとも、今後ドットチャートが廃止されたとしても、影響は限定的であろう。市場参加者はドットチャート上の注目は「当年度」の数値に集中していた節があり、2年先や3年先のドットプロットが市場参加者の予想形成に大きな役割を果たしてきた印象はない。
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筆者は引き続き、FF金利の年内据え置きを予想する。最近になって労働市場の復調を示すデータが増加している一方、インフレを形成する賃金上昇率は落ち着いており、利上げを急ぐ必要性に乏しい。
藤代 宏一
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