- HOME
- レポート一覧
- 経済指標レポート(Indicators)
- 米国:イラン攻撃のインフレ押し上げは3月以降 (2月CPI)
- US Indicators
-
2026.03.12
米国経済
金融市場
米国金融政策
株価
為替
金利
消費指標(米国)
物価指標(米国)
その他指標(米国)
米国:イラン攻撃のインフレ押し上げは3月以降 (2月CPI)
~統計の歪みもあり、コアインフレの実態把握には時間が必要~
桂畑 誠治
- 要旨
-
- 26年2月の消費者物価(総合CPI)は、前月比+0.3%(前月:同+0.2%)と市場予想中央値に一致したが、上昇率は前月から加速した。内訳をみると、エネルギー・食品を除く消費者物価(コアCPI)は、同+0.2%(前月:同+0.3%)と市場予想通りとなり、伸びは鈍化した。一方、エネルギーがガソリン、燃料、ガスサービス等の上昇により同+0.6%(前月:同▲1.5%)と上昇に転じた。食品は、外食が低下したほか、穀物・ベーカリー製品、卵が下落したが、野菜・果物、コーヒー、キャンディーなどの上昇が寄与し、同+0.4%(前月:同+0.2%)へ加速した。
- 金融市場では、2月CPIの結果は市場予想通りだったものの、イラン攻撃を受けた原油価格の急騰を背景にインフレへの警戒感が強まっていることから、FF金利先物市場が示す3月FOMCでの据え置きの可能性は約99%(前日98%)に上昇した。また、4月は約88%(同約86%)、6月は約63%(同約58%)と、先々の据え置きの可能性も軒並み上昇した。26年末のFF金利水準(織り込み)は、3.34%と前日の3.26%から小幅に上昇し、2年・10年国債利回りはともに上昇した(P6)。為替市場ではドルが主要通貨に対して強含んだ一方、主要株価指数は下落した。
- コアCPIの内訳では、財コアが前月比+0.1%(同0.0%)と上昇した一方、サービスコアは同+0.3%(同+0.4%)と鈍化した。財コアでは、情報機器が下落に転じたほか、家庭用耐久品・消耗品、新車、余暇商品、アルコール飲料、その他財が低下した。一方、自動車部品が上昇に転じたうえ、衣料品も上昇した。また、中古車は▲0.4%(前月:▲1.8%)と下落幅を大幅に縮小し、医療用品は横ばいとなった。
- サービスコアでは、ホテルが上昇に転じたほか、自動車メンテナンス・修理が上昇した。また、帰属家賃、上下水道・ゴミ収集サービスは前月と同率の伸びとなったうえ、電話サービスは下落から横ばいへ転じた。一方、余暇サービスやその他個人向けサービスが下落に転じたほか、賃貸料、専門医療、病院・関連サービス、レンタカー、カーリース、航空運賃、インターネットサービスが低下した。医療保険は大幅な下落が続き、自動車保険は下落幅を縮小した。 なお、シェアの大きい帰属家賃・賃貸料については、政府機関の一部閉鎖(25年10月1日~11月12日)の影響に注意が必要である。データ収集不能により10月の数値が横ばいと仮置きされた影響で、26年4月分までは統計上の伸びが抑制され続ける見通しである。
- コアCPIの上昇モメンタムを6カ月前対比年率でみると+2.3%(1月:+2.5%)と、緩やかな低下傾向にある。しかし足元では、上述した統計上の歪み(家賃の仮置き)によって、実態以上に低下している可能性が高い点には留意すべきである。
- 前年同月比では、総合CPIが+2.4%(前月:+2.4%)と市場予想通り横ばいとなった。コアCPIも+2.5%(同+2.5%)で市場予想と一致し、横ばいで推移した。エネルギーが+0.5%(同▲0.1%)とプラスに転換した一方、食品は+2.9%(同+3.1%)と伸びが鈍化した。 財コアが+1.0%(同+1.1%)と低下した。家庭用耐久品・消耗品、衣料品、新車、自動車部品、余暇商品が上昇した一方、中古車、情報機器が下落幅を拡大し、医薬品など医療用品、アルコール飲料、その他財が低下した。 サービスコアは+2.9%(同+2.9%)と横這いであった。ここでも帰属家賃や賃貸料の統計的要因が全体の伸びを抑制している。個別では、レンタカーが上昇に転じたほか、専門医療サービス、病院・関連サービス、航空運賃が上昇。ホテルは下落幅を縮小し、教育関連サービスは同率の伸びとなった。一方、医療保険、電話サービスが下落幅を拡大したうえ、帰属家賃(+3.2%、前月+3.3%)、賃貸料(+2.7%、前月+2.8%)、上下水道・ゴミ収集サービス、余暇サービス、インターネット、その他個人向けサービスが低下した。
- 最後に、消費面では、実質平均時給が前年比+1.4%(前月:+1.2%)と上昇。実質平均週給は、前年比+1.7%(+1.9%)と減速したものの、依然として高い伸びを維持しており、2月の個人消費を下支えしたと考えられる。
右上にある「PDF閲覧のアイコン」をクリックしてご覧下さい。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
-
経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
執筆者の最近のレポート
-
米国:26年1月住宅着工は大幅増も集合住宅に偏重 ~許可件数が減少するなど建設コスト高による先行き不透明感は継続~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:26年1月小売売上高は悪天候と価格下落で減少 ~消費の拡大基調は緩やかにペースダウン~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:雇用者数は予想外の9.2万人減 (26年2月雇用統計) ~政策の不確実性と天候・スト等の特殊要因が重なり、雇用回復に急ブレーキ~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:イラン攻撃前の好調さ確認(26年2月ISM非製造業) ~活発な事業活動が景気を牽引~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:拡大基調も強まるインフレ圧力(26年2月ISM製造業) ~緊迫する米・イラン情勢によるコスト増リスク~
米国経済
桂畑 誠治
関連テーマのレポート
-
米国:26年1月住宅着工は大幅増も集合住宅に偏重 ~許可件数が減少するなど建設コスト高による先行き不透明感は継続~
米国経済
桂畑 誠治
-
2026年3月FOMCプレビュー ~イラン情勢で高まる不確実性~
米国経済
前田 和馬
-
米国:26年1月小売売上高は悪天候と価格下落で減少 ~消費の拡大基調は緩やかにペースダウン~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:雇用者数は予想外の9.2万人減 (26年2月雇用統計) ~政策の不確実性と天候・スト等の特殊要因が重なり、雇用回復に急ブレーキ~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:イラン攻撃前の好調さ確認(26年2月ISM非製造業) ~活発な事業活動が景気を牽引~
米国経済
桂畑 誠治