- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月57,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
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日銀は利上げを続け、政策金利は26年7月に1.0%、27年7月に1.5%超となろう
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FEDはFF金利を26年6月に3.5%まで引き下げた後、様子見に転じるだろう
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金融市場
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前営業日の米国市場は、S&P500が▲0.2%、NASDAQが+0.0%で引け。VIXは24.9へと低下。
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米金利はカーブ全般で金利上昇。予想インフレ率(10年BEI)は2.351%(+2.1bp)へと上昇。
実質金利は1.802%(+3.9bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は+55.9bpへとプラス幅拡大。 -
為替(G10通貨)はUSDが軟調。USD/JPYは157後半で推移。WTI原油は83.5㌦(▲11.3㌦)へ低下。銅は13140.0㌦(+186.0㌦)へ上昇。金は5242.1㌦(+138.4㌦)へ上昇。
注目点・経済指標等
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筆者が世界景気と日本株の先行きを占う上で、定点観測する工作機械受注統計(日本工作機械工業会)は離陸を果たし、高度を上げる段階に移行したとみられる。昨年後半以降、通商政策の不透明感が後退する中、半導体需要に裏打ちされた米国向けと中国向けの需要に加速感がみられる。この間、国内の設備投資計画も堅調であることを踏まえると、全体として回復傾向が頓挫する可能性は低い。
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3月10日に発表された2026年2月の受注額(原数値)は1467億円であった。前年比では+24.2%とはっきりと伸び率は加速し、6ヶ月連続で2桁の伸びを達成した。筆者作成の季節調整値は前月比+0.3%と増加し、3ヶ月平均値では+3.3%と増加基調が強まった。単月の内訳は「国内向け」の季節調整済み前月比が+12.7%と増加し、前年比でみても+10.2%と加速。人手不足が足かせとなり、設備投資の進捗が遅々としているものの、企業の投資意欲はそれなりに強いことが示された。関連投資の機械受注に目を向けると、受注残高および手持ち月数が積み上がっており、これに伴って新規受注が抑制されている可能性が示唆される。この間、「外需」は前月比▲3.4%と減少したものの、3ヶ月平均では+2.3%と力強い増加基調にあり、前年比でみても+29.8%と明確な上昇基調にある。地域別詳細は確報を待つ必要があるが、1月までの傾向から判断すると中国と米国向けが増加基調を維持したとみられる。
- 日本の工作機械受注は、そのサイクルがグローバル製造業PMIやアナリストの業績予想(TOPIX予想EPS)と連動性を有する。1月グローバル製造業PMIは51.9と好不況の分かれ目の目安とされる50を7ヶ月連続で上回った。通商政策の不透明感が後退する中、AIの爆発的需要に裏打ちされた新規受注の回復が継続し、世界的に景況感の改善がみられている。そうした下でTOPIXの予想EPSは円安と、企業の資本効率改善に向けた取り組みが奏功していることも相まって拡大基調を維持している。
- 製造業PMIを地域別にみると、日本は53.0へと1.5pt上昇した。トランプ関税による直接的な影響が限定的なものに留まり、数量ベースの生産高が落ち込みを回避するなか、世界的なAI関連需要の拡大が続き、国内では個人消費が緩慢ながらも回復傾向にあり、生産活動は全体として緩やかに持ち直している。日銀が算出する消費活動指数は、実質値でみても緩やかな増加基調にある。生産数量に重きを置く経済産業省の鉱工業生産指数は停滞しているものの、付加価値ベースの生産高は増加している可能性が高い。この間、IT関連財の生産集積地である台湾は55.2へと3.5pt上昇し、3ヶ月連続で50を上回った。輸出統計との方向感相違は解消に向かっており、景況感の回復は広がりをみせている。韓国は51.1へと0.1pt低下したものの、水準は悪くない。メモリ価格が急伸するなか、大手メーカーが増産を急ぐと伝わっており、その波及効果が窺われる。
- 米国は51.6へと0.8pt低下。米国内におけるAI関連投資が隆盛を極めるなか、その恩恵が広がりを持ちつつあることを示唆している。データセンター投資は半導体に限らず建設、発送電、冷却装置といった業種に波及効果をもたらす。2月の自動車販売台数は1,575万台(年換算)とやや落ち込んだものの、雇用所得環境が堅調であることを踏まえると、先行きは回復が期待される状況にある。ユーロ圏は50.8へと1.3pt上昇した。ドイツが50.9(1月49.1)へと切り返し、2022年6月以来で初めて50を回復した。フランスは50.1(同51.2)へとやや軟化したものの、2ヶ月連続で50超を維持。
- 中国は52.1へと1.8pt上昇した。既往の不動産市況悪化とトランプ関税対策として、中国当局は景気対策を強化しており、一段の減速は回避されている。中国当局の政策態度を映じるとされるマネー関連統計に目を向けると、1月の社会融資総量(新規フローの12ヶ月平均値)は前月比+0.5と増加し、残高は前年比+8.2%へと鈍化した。一方、新規融資のGDP比(前年差)をとった通称クレジットインパルスは+0.9ptとプラス圏でやや弱含んでいる。この指標が日本株の先行指標として機能してきた経緯を踏まえると、現在の株高は一定の裏付けを伴っていると言えるが、風向きはやや悪くなっている。3月入り後に生じた原油の供給不安もあり、先行きは中国経済の減速に起因する株価の下押し圧力に注意が必要であろう。
- 工作機械受注サイクルの位置取りを確認するために、縦軸に受注額の水準(36ヶ月平均値からの乖離)、横軸に方向感(6ヶ月前比)をとった循環図をみると、2025年央までは中心点付近で小さな渦を描いてきたが、過去数か月は右上領域に向けてはっきりと歩み出した。過去の経験則に従うなら今後も右上方向に進路をとると予想され、回復傾向がはっきりとしてくるだろう。これまで世界の株式市場はAIの頭脳として半導体関連銘柄を中心に物色してきたが、最近はハードとの融合である「フィジカルAI」に対する関心が広がっている。その場合、工作機械を中心に本邦製造業はロボット、FA(ファクトリー・オートメーション)など多くの関連業種を抱える。この見方が正しければ、工作機械受注は株式市場の有用な情報を与えてくれるのではないか。

藤代 宏一
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。





















