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2026.02.24
米国経済
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トランプ政権
トランプ関税
最高裁がトランプ関税に違憲判決
~還付の行方は不透明~
前田 和馬
2月20日、米連邦最高裁はトランプ政権による国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税措置を違憲と判断した。本稿ではこれを巡る主要な論点をQ&A形式で概観する
こうした代替的な関税措置は通商法122条に基づくものだ。同法では巨額の経常赤字に対処するため、150日間に限り最大15%の関税を課す権限を大統領に与えている。なお、当初の関税率が10%に設定されたのは、英国や豪州などの相互関税率に合わせたものとみられ、各国に対する関税率を15%に設定する場合、これらの国々(米国の貿易黒字国)の関税率は判決以前より引き上がることとなる。また、相互関税と同様、同措置では自動車や鉄鋼等の232条関税の対象品目、エネルギーや重要鉱物、USMCAに準拠するカナダとメキシコからの輸入品などが除外される。
一方、日本や欧州などは対米合意において、相互関税率は既存関税との合計で15%が上限となっている。しかし、20日時点の大統領令ではこうした記載はみられないため、既存の関税率に15%関税がそのまま上乗せされる懸念が残る。
150日後の7月24日において、多くの国に対する301条関税の発動が困難である場合、トランプ政権は「新たな非常事態を宣言し、122条を再び発動する」或いは「品目別関税のための通商拡大法232条やスムート・ホーリー法338条など、別の関税措置を用いる」ことを通じて、高関税を維持する可能性がある。ただ、こうした措置が採られる場合、その一部は再び法廷でその妥当性が争われるだろう。なお、122条関税は議会承認を経れば延長が可能であるものの、上院のフィリバスター(議事妨害)を回避するには民主党議員の賛成を含む60票が必要となる可能性があるため、延長を実現するのは難しいように思える。
また、11月の中間選挙への対策として、トランプ政権が関税引き下げを通じたインフレ対策に踏み切る可能性はある。ただし、関税策の緩和は関税率の部分的な引き下げや除外品目の拡大などで実施するとみられ、国・地域別の関税措置を完全に撤廃するかには不透明感が残る。

前田 和馬
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 前田 和馬
まえだ かずま
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経済調査部 主席エコノミスト
担当: 米国経済、世界経済、経済構造分析
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