- HOME
- レポート一覧
- 経済指標レポート(Indicators)
- 米国 緩やかな低下傾向(26年1月CPI)
- US Indicators
-
2026.02.16
米国経済
金融市場
米国金融政策
株価
為替
金利
消費指標(米国)
物価指標(米国)
その他指標(米国)
米国 緩やかな低下傾向(26年1月CPI)
~政府機関閉鎖による統計の歪みで、下振れは3月分まで継続~
桂畑 誠治
- 要旨
-
- 26年1月の消費者物価(総合CPI)は、前月比+0.2%(前月同+0.3%)と低下し、市場予想中央値+0.3%を下回った。エネルギー・食品を除く消費者物価(コアCPI)は、同+0.3%(+0.2%)と市場予想中央値と一致したが、上昇率が高まった。一方、エネルギーが、ガソリン、電気料金の下落で同▲1.5%(同+0.3%)となったほか、食品は、卵の急落、野菜・果物、コーヒー、ドレッシング、バター等の下落、外食等の低下によって、同+0.2%(+0.7%)と鈍化した。
- 金融市場では、1月の総合CPIが市場予想を下回ったことを受け、利下げ期待が若干強まった。FF金利先物の示す3月FOMCでの据え置きの可能性が約91%(前日92%)と低下した。また、4月FOMCでの据え置きの可能性は、約70%(前日約75%)、6月FOMCでの据え置きの可能性は、約31%(前日約38%)に低下した。26年末のFF金利の水準は、3.03%と前日の3.08%から小幅低下した。2年国債利回り、10年国債利回りは低下した(P6)。為替市場では、ドルが主要通貨に対して弱含んだ。主要株価指数は、小幅上昇した。
- コアCPIでは、財コアが中古車の下落で前月比0.0%(同0.0%)と低い伸びにとどまった一方、サービスコアが同+0.4%(同+0.3%)と上昇した。財コアでは、医療用品、自動車部品が下落に転じたほか、EV需要の縮小の影響で中古車が▲1.8%と下落幅を拡大し、全体を押し下げた。また、家庭用耐久品・消耗品が低下し、衣料品が同率の伸びを続けた。一方、情報機器、アルコール飲料が上昇に転じたうえ、新車、余暇商品、その他財が上昇した。
- サービスコアでは、ホテルが下落したほか、医療保険が大幅な下落を続けた。また、帰属家賃、賃貸料、余暇サービスが低下した。一方、レンタカー、カーリース、自動車メンテナンス・修理、インターネットサービス、その他個人向けサービスが上昇に転じたことに加えて、専門医療、病院・関連サービス、航空運賃、上下水道・ゴミ収集サービスが上昇した。さらに、電話サービスが下落幅を縮小した。 シェアの大きい帰属家賃、賃貸料は、政府機関の一部閉鎖(25年10月1日から11月12日)によって、データ収集できなかった10月の数値が横ばいと仮置きされた影響で、26年3月分まで伸びが抑制され続ける。
- コアCPIの上昇モメンタムをみると、6ヵ月前対比年率で+2.5%(12月+2.6%)と緩やかに低下傾向を辿っている。しかし、足元は統計の歪みの影響を受け、実態以上に低下している可能性が高い。
- 前年同月比では、消費者物価(総合CPI)は、+2.4%(12月同+2.7%)と市場予想の+2.5%を下回った。コアCPIは+2.5%(同+2.6%)と低下し、市場予想中央値と一致したほか、エネルギーが▲0.1%(同+2.3%)と下落、食品が+2.9%(同+3.1%)と低下した。 コアCPIでは、財コアが+1.1%(同+1.4%)、サービスコアが+2.9%(同+3.0%)とともに低下した。シェアの大きい帰属家賃、賃貸料は、データ収集のできなかった10月分が横ばいと推計されたことで、それ以降の上昇率が実態よりも低い伸びとなっており、全体の伸びを低くみせている。
- 財コアでは、新車、衣服、娯楽用品、その他財が上昇したほか、情報機器が下落幅を縮小した。一方、中古車が下落に転じたほか、家庭用耐久品・消耗品、医薬品など医療用品、自動車部品、アルコール飲料が低下した。 サービスコアでは、航空運賃が上昇に転じたほか、専門医療サービス、病院・関連サービス、インターネット、その他個人向けサービスが上昇した。また、上下水道・ゴミ収集サービス、教育関連サービス、帰属家賃(+3.3%、前月+3.3%)は同率の伸びとなった。さらに、レンタカーは下落幅を縮小した。一方、医療保険、ホテル、電話サービスが下落幅を拡大したうえ、賃貸料(+2.8%、前月+2.9%)、余暇サービスが低下した。
- 実質平均時給は、前年比+1.2%と上昇した。実質平均週給は、前年比+1.9%と加速し、約5年ぶりの高い伸びとなっており、1月の個人消費を下支えしたと考えられる。
右上にある「PDF閲覧のアイコン」をクリックしてご覧下さい。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
-
経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
執筆者の最近のレポート
-
米国:中東情勢の緊迫化でも5月CB消費者信頼感は底這い ~和平合意への期待が先行きを支えるも、根強いインフレ警戒が重石に~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:大幅増の反動により住宅着工は減少(26年4月) ~一戸建ての許可減少など建設コスト高による先行き不透明感は継続~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:AI投資が牽引、26年1-3月期GDPは成長加速 ~26年の景気もAI投資と財政が支え、堅調さを維持へ~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国: 製造業の牽引で拡大ペース維持(26年5月PMI) ~中東緊迫化による供給網リスクとインフレ圧力の強まり~
米国経済
桂畑 誠治
-
内外経済ウォッチ『米国~インフレ再燃とFOMC分裂に直面するウォーシュ新体制~』(2026年6月号)
米国経済
桂畑 誠治
関連テーマのレポート
-
米国:中東情勢の緊迫化でも5月CB消費者信頼感は底這い ~和平合意への期待が先行きを支えるも、根強いインフレ警戒が重石に~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国経済マンスリー:2026年5月 ~インフレは加速するも、実体経済への影響はまだ穏やか~
米国経済
前田 和馬
-
米国:大幅増の反動により住宅着工は減少(26年4月) ~一戸建ての許可減少など建設コスト高による先行き不透明感は継続~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国:AI投資が牽引、26年1-3月期GDPは成長加速 ~26年の景気もAI投資と財政が支え、堅調さを維持へ~
米国経済
桂畑 誠治
-
米国: 製造業の牽引で拡大ペース維持(26年5月PMI) ~中東緊迫化による供給網リスクとインフレ圧力の強まり~
米国経済
桂畑 誠治