- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月54,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
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日銀は利上げを続け、政策金利は26年7月に1.0%、27年7月に1.5%超となろう
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FEDはFF金利を26年6月に3.5%まで引き下げた後、様子見に転じるだろう
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金融市場
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前営業日の米国市場は、S&P500が▲0.5%、NASDAQが▲1.5%で引け。VIXは18.6へと上昇。
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米金利はツイスト・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.342%(▲0.8bp)へと低下。実質金利は1.931%(+1.8bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は+71.6bpへとプラス幅拡大。
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為替(G10通貨)はUSDが全面高。USD/JPYは156後半で推移。WTI原油は65.1㌦(+1.9㌦)へ上昇。銅は13044.5㌦(▲433.5㌦)へ低下。金は4920.4㌦(+16.7㌦)へ上昇。
注目点・経済指標
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1月米ISMサービス業景況指数は53.8と前月比横ばい。市場予想(53.5)を上回り、米国経済が堅調な成長軌道を維持していることを示唆した。ヘッドラインを構成する4つの項目は、事業活動(55.2→57.4)が大幅伸長、新規受注(56.5→53.1)はやや鈍化、サプライヤー納期(51.8→54.2)は長期化しヘッドラインの押し上げに寄与。雇用(51.7→50.3)は小幅に低下した。今回の結果は、最近よく言われる「雇用増なき景気拡大」を象徴するものであった。企業からのコメントでは、AI投資が隆盛を極めるなか、データセンターの建設投資増加に言及したものが散見された。
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この間、インフレ関連項目は仕入価格(支払価格)が66.6へと上昇。関税影響はピークアウトしたとみられるものの、企業は価格転嫁に積極的であることが窺える。なお、足元ではAI関連投資の余波でメモリ価格が高騰しており、今後、広範な財・サービス価格に影響を与える可能性がある。メモリ製造大手が汎用品の生産を絞り、AI向けに舵を切ったことが響いている。
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雇用統計の代理指標として注目されているADP雇用レポートによると、1月の民間部門雇用者数は前月比+2.2万人であった。市場予想(+4.5万人)を小幅に下回ったものの、減少は回避され一安心といったところ。ただし業種別にみると、景気に敏感ではない教育・保健サービスが同+7.4万人と全体の増加をけん引する形になっており、景気の強さに裏打ちされた労働需要が回復したかは微妙なところである。他方、専門・ビジネスサービスでは同▲5.7万人、情報(IT)では同▲0.5万人の雇用減が観察された。AIによる代替が進んでいる可能性を意識せざるを得ない。米労働省の雇用統計公表は6日(金)から11日(水)に延期された。
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類似指標の米サービス業PMI(確定値)は52.7と、2025年平均値の53.5をなお下回っているとはいえ、持ち直しの動きがみられた。こちらも雇用が50近傍に留まり、雇用増なき景気拡大の様相を呈している。それでも米景気が底堅いのは、特定少数企業によるAI関連投資に加え、富裕層の高額消費を追い風に個人消費が堅調に推移していることが大きい。K字型経済と言われる、格差拡大を伴った経済成長の持続性が問われているのは事実であるが、それでもアトランタ連銀算出のGDP NowによるとリアルタイムのGDP成長率は(純輸出を除いても)3%を優に超える軌道で推移しており、良くも悪くも弱さが覆い隠されている。

・企業景況感から株式市場を眺めると、製造業の景況感と企業収益の拡大ペースとの間に観察されていた違和感は、1月にISM製造業景況指数が突発的な改善をみせたことから、概ね解消された。ISM製造業と製造業PMIの平均値は予想EPSの加速を示唆する領域にあり、いわゆるオールドエコノミーすなわち自動車、化学、機械、製鉄など伝統的な製造業において景気回復の動きが強まっていることが示唆される。これは、ここ数週間の米国株市場でしばしば観察されるようになった「メガテック・半導体・SaaS売り(広義テック)、その他買い」に通じるところがある。次に株価と総合PMIを比較すると、やや株価が楽観的に映るものの、大きな違和感は認められない。総合PMIが55近傍で推移すれば、S&P500が4年連続で2桁上昇を遂げる可能性が高まる。なお、日本の個人投資家に注目されている世界株(MSCI ACWI)はグローバル総合PMIとの比較で安定した関係にある。
藤代 宏一
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