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2026.02.03
米国経済
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米国 11カ月ぶりに拡大圏へ浮上(1月ISM製造業)
~今後、ペースダウンも拡大基調を維持へ~
桂畑 誠治
- 要旨
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- 26年1月のISM製造業景気指数(季節調整値)は、52.6(前月47.9)と前月比4.7ポイント上昇し、市場予想中央値の48.5を大幅に上回り、拡大・縮小の分岐点である50を11ヵ月ぶりに回復。米製造業部門が拡大に転じたことを示した。トランプ政権の関税政策による不確実性やコスト増が引き続き抑制要因となっているものの、堅調な国内需要を背景とした在庫補充や、関税による価格上昇を見越した発注の増加が指数を押し上げた。
- 調査コメントをみると、先行きの不確実性への懸念が引き続き多く指摘された。関税政策や地政学的な緊張に加え、トランプ関税に対する最高裁判決の動向、政府閉鎖の影響、広範なインフレに伴うコスト増などが、経営環境を不透明にしている。こうした懸念は、顧客の買い控えや事業環境の軟調、サプライチェーンの混乱を招いており、一部企業の受注や利益の減少を誘発している状況が浮き彫りとなった。
- 1月の総合景気指数を押し上げた主な要因は、新規受注の拡大転換と生産ペースの加速である。加えて、雇用および在庫の減少幅が縮小し、サプライヤーの納入遅延が強まったことも指数の上昇に寄与した。一方で、仕入価格指数は高水準での上昇を続けており、製造業におけるコスト増圧力が依然として根強いことを裏付けている。 1月に拡大した業種は、全18業種のうち、印刷・関連サポート活動、アパレル・皮革製品、加工金属、一次金属、輸送機器、一般機械、化学製品、食品・飲料・タバコ、コンピューター・電子機器の9業種(前月2業種)に増加(下線は拡大・縮小が2カ月以上続いたことを示す)。主要6業種で拡大した業種は、輸送機器、一般機械、化学製品、食品・飲料・タバコ、コンピューター・電子機器の5業種と、前月の1業種から増加した。
- 1月のISM製造業景気指数の構成項目別の動向をみると、前月比で、新規受注、生産、入荷遅延、雇用、在庫の全ての項目が上昇した。
- 新規受注は、57.1(前月47.7)と、拡大を示す水準に上昇し、需要が拡大に転じたことが示された。拡大した業種数は18業種中8業種(同2業種)と増加し、縮小は7業種(同13業種)に減少した。拡大した業種は、アパレル・皮革製品、印刷・関連サポート活動、一次金属、一般機械、輸送機器、化学製品、加工金属、食品・飲料・タバコの8業種。縮小は、木材製品、非鉄、繊維、紙製品、電気機器・電化製品・電気部品、その他製造業、コンピューター・電子機器の7業種となった(下線は拡大・縮小が2カ月以上続いたことを示す)。石油・石炭製品、プラスチック・ゴム製品は変わらず。コメントで、補充や関税による追加値上げに備えた顧客の需要が増加した理由として多く挙げられていた。 生産は、55.9(同50.7)と拡大を示す水準で上昇、拡大ペースの加速が示された。拡大した業種数が11業種(同4業種)に増加し、縮小した業種が6業種(同9業種)と減少した。新規受注、受注残が拡大を示す水準を回復しており、生産の拡大が持続する可能性が示唆された。また、在庫は、47.6(前月45.7)と上昇したが縮小を示す水準にとどまり、在庫の縮小ペースが鈍化した。不確実性の高いもと企業が慎重な姿勢を維持しているが、在庫の減少や顧客の在庫不足感の強まりを背景に、生産が緩やかな拡大を継続する可能性が高い。 入荷遅延は、54.4(同50.8)と上昇し、港湾での停滞やトラック輸送の制約等を背景に、サプライヤーへの納入が遅くなったことが示された。 雇用は、48.1(同44.9)と上昇したが50を下回った水準にとどまり、雇用の減少幅の縮小が示された。採用と人員削減に関するコメントの比率は1:2と人員削減が2倍となった。企業は、不確実な短中期の需要のため、引き続き人員削減を加速することに重点を置いている。事業環境の不透明感の強まりを背景に、レイオフ、自然減、採用凍結を中心とした人員削減が継続されている。
- インフレの動向を示す仕入価格指数は、59.0(同58.5)と上昇し、コスト増加圧力が強いままであることを示した。商品別では、アルミニウム、銅、鉄鋼、重要鉱物、メモリ、真鍮、電子部品、貴金属等の価格が上昇した。供給不足品では、電子部品、電気部品、労働者、希土類部品、鉄鋼製品、メモリが挙げられた。
- 製造業の先行きについては、足元の新規受注の反動による一時的な低下が予想される。しかし、①半導体、医薬品、重要鉱物等への分野別関税はインフレへの波及が限定的となる可能性が高いこと、②減税や資産価格上昇を背景に国内需要が堅調を維持すること、③在庫の低い水準が生産を誘発すること等に支えられ、製造業景気指数は26年を通じて基本的に拡大の勢いを保つ公算が大きい。
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
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経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
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