- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月54,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
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日銀は利上げを続け、政策金利は26年7月に1.0%、27年7月に1.5%超となろう
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FEDはFF金利を26年6月に3.5%まで引き下げた後、様子見に転じるだろう
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金融市場
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前営業日の米国市場は、S&P500が▲0.0%、NASDAQが+0.2%で引け。VIXは16.4へと上昇。
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米金利は小動き。予想インフレ率(10年BEI)は2.356%(+0.7bp)へと上昇。実質金利は1.884%(▲1.0bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は+66.6bpへとプラス幅縮小。
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為替(G10通貨)はUSDが中位程度。USD/JPYは153前半で推移。WTI原油は63.2㌦(+0.8㌦)へ上昇。銅は13086.5㌦(+80.0㌦)へ上昇。金は5303.6㌦(+221.0㌦)へ上昇。
注目点
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1月FOMC(27-28日)では予想通り、政策金利の据え置きが決定され、FF金利(誘導目標レンジ上限)は3.75%とされた。2025年9月から12月にかけて3会合連続、累積0.75%ptの利下げを講じた後、インフレ率と景気の帰趨を見極める必要があるとの判断であった。
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この決定に対してミラン理事が例によって利下げを主張したほか、ウォラー理事も反対票を投じた(ミラン理事は前回まで50bpの利下げを主張、今回は25bpを主張)。ウォラー理事は、次期FRB議長候補として有力視されている。なお次期議長を巡っては、国家経済会議(NEC)のケビン・ハセット委員長を筆頭に、ウォラー理事、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏、ブラック・ロックのリック・リーダー氏の名が挙がっており、週内にもトランプ大統領から発表があるとされる。
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声明文では景気の総括判断が上方修正され、前回までの「緩やかなペース」から「堅調なペースの拡大」と強気な表現に書き換えられた。労働市場の判断も上方修正された。前回までは「雇用に対する下振れリスクがここ数カ月間で高まったと判断する」と警戒感を強調する内容であったが、今回は「雇用の伸びは低水準のまま」との認識は維持しつつ、「失業率には安定の兆しが見られる」とされた。12月の失業率は4.4%と、直近最低値である3.5%(2023年4月)から1%pt近く高まっているとはいえ、CBOが推計するNAIRU(インフレを加速させない失業率水準)の4.3%に近い水準で推移している。

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インフレについては「インフレ率は依然やや高止まりしている」とした。前回(2025年12月)までは「インフレ率は今年初めから上昇し、依然やや高止まりしている」と方向感の推移が記述されていたが、それを削除した。
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記者会見では、政策金利の水準について「著しく引き締め的と判断するのは難しい」とした上で、「おそらく緩やかに中立的か、幾分引き締め的」との見解を示した。ドットチャート上で3%程度であるとされている中立金利にはまだ距離があるものの、議長は「正常化プロセスはかなり進展」、「経済動向を見極める上で好位置にいる」と評価した。一方、次回の政策変更が利上げになる可能性を問われ、現時点において「利上げは、誰にとっても基本シナリオではない」とした。
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経済活動全般については「見通しは前回会合以降、明らかに改善した」、「インフレの上振れリスクと雇用の下振れリスクは後退した」と評価。物価情勢については「インフレ高止まりの大半は需要でなく、関税に起因」、「関税の物価への影響は一時的となる公算大」として楽観的。労働市場については「労働力の供給と需要が均衡していても、雇用が創出されていない場合、それが完全雇用かどうかの判断は難しい」として、失業率の安定と雇用の減少が併存する現状に対して、その評価が難しいことを素直に明らかにした。
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その他、政治的圧力(刑事訴追関連)に関する質問は回答を避け、理事として残留するかとの問にも答えなかった。もっとも、クック理事の解任を問う審理にパウエル議長が出席したことについては「FRB史上最も重要な裁判、出席は適切」とした。
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FOMC通過後にFF金利先物から逆算した3月FOMCにおける利下げ確率は13%まで低下した。4月まで拡張しても28%に過ぎず、6月まででも78%に留まる。利下げが完全に織り込まれるのは7月(106%)となっている。
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声明文で景気の強さに言及があったことに加え、パウエル議長の記者会見でインフレに楽観的な見通しが示されたことから判断すると、3月FOMCに向けて利下げを再開する展開はかなり想像しにくくなった。次回の利下げは、金融緩和に積極的な新議長の就任を待つ必要があろう。
藤代 宏一
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