米国 2014年以来の水準に急低下(26年1月CB消費者信頼)

~景気減速と労働市場軟化の継続を示唆~

桂畑 誠治

要旨
  • 26年1月のCB消費者信頼感指数(速報)は、 84.5(前月94.2:改定前89.1)と市場予想中央値の91.0への上昇に反して、前月比▲9.7ポイント低下、新型コロナ危機時を下回り2014年5月の82.2以来の低い水準となった。指数の悪化は、個人消費減速の可能性を示唆している。
  • 期待指数が65.1(前月74.6:改定前70.7)と前月比▲9.5ポイント低下したほか、現状指数が113.7(前月123.6:改定前116.8)と前月比▲9.9ポイント低下、21年2月の95以来の低い水準となった。 調査で、消費者は景気にネガティブな影響を及ぼす要因として、インフレ、石油、ガソリン、食料品の価格への言及が依然多数だったほか、関税・貿易、政治、労働市場への言及が1月に増加し、医療保険や戦争への言及も徐々に増えた。1月は、高いインフレ、労働市場軟化、トランプ大統領の関税を使った恫喝が継続した。また、米軍等によるベネズエラ大統領の拘束、これを受けた反米中南米諸国への軍事介入懸念の高まりのほか、トランプ大統領がイランのデモ鎮圧に対して軍事介入を示唆する発言を行ったことで、戦争への懸念が強まった。さらに、オバマケア補助金の停止を受けた医療保険負担の増加、不法移民の強硬な取り締まりの実施など、トランプ政権の政策によって、消費者マインドが悪化した。
  • 現在の景気に対する楽観的な見方が弱まり、景気の停滞が示唆された。また、現状の雇用に対する楽観的な見方が弱まり、労働市場の軟化傾向が示唆された。先行きに関しては、不規則な関税政策など高い不確実性が残存し、景気や雇用に対する悲観的な見方をさらに強め、所得に対する期待も弱まった。
  • 現状指数の構成項目では、「景気」、「雇用」がプラス幅を縮小した。現在の景気に対する判断(「良い」-「悪い」)が+0.1(前月+2.2:改定前▲0.4)とプラス幅を縮小し、現在の景気に対する楽観的な見方が弱まった。また、現在の雇用機会に対する判断(「充分」-「困難」)は+3.1(前月+8.4:改定前+5.9)とプラス幅を縮小し、現在の労働市場に対する楽観的な見方が弱まった。
  • 期待指数の構成項目では、「景気」、「雇用」がマイナス幅を拡大したほか、「収入」がプラス幅を縮小した。6ヵ月後の景気に対する見方(「良くなる」-「悪くなる」)は、▲7.3(前月▲2.6:改定前▲3.8)とマイナス幅を拡大し、景気の先行きに対する悲観的な見方を強めた。また、6ヵ月後の雇用に対する見方(「多くなる」-「少なくなる」)は、▲14.6(前月▲8.6:改定前▲10.9)とマイナス幅が拡大、雇用の先行きに対する悲観的な見方を強めた。さらに、6ヵ月後の収入に対する見方(「増加する」-「減少する」)は、+3.1(前月+5.8:改定前+3.7)とプラス幅を縮小し、収入に対する楽観的な見方を弱めた。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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