12月の米景気減速と労働市場軟化を示唆(CB消費者信頼)

~現状指数が21年2月以来の水準に低下~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年12月のCB消費者信頼感指数(速報)は、89.1(前月92.9:改定前88.7)と前月比▲3.8ポイント低下し、市場予想中央値の91.0を下回った。指数の水準は低く、個人消費が減速する可能性を示唆している。期待指数が70.7(前月70.7:改定前63.2)と変わらなかったが、現状指数が116.8(前月126.3:改定前126.9)と前月比▲9.5ポイント低下し、21年2月につけた95以来の低い水準となった。ただし、速報の調査期間の後半にFRBが利下げを決定したことで、押上げ効果が限られたとみられ、確報段階で上方改定される公算が大きい。
  • 消費者は、物価、関税、貿易、政治情勢が引き続き景気にネガティブな影響を及ぼすと回答したが、11月よりは減少しており、関税政策への懸念が若干緩和したようだ。一方で、移民、戦争への言及が増加し、新たな懸念要因となっている。
  • 12月は、現状の雇用に対する楽観的な見方が弱まり、労働市場の軟化傾向が示唆された。また、インフレ率の高い伸びが続くなか、現在の景気に対する見方が悲観に転じており、景気の停滞が示唆された。先行きに関しては、政府機関の再開もあって景気に対する悲観的な見方が弱まったものの、不規則な関税政策のほか、26年2月に再び政府機関の一部が閉鎖される可能性があるなど高い不確実性が残存し、雇用に対する悲観的な見方をさらに強めた。
  • 現状指数の構成項目では、「景気」がマイナスに転じたうえ、「雇用」がプラス幅を縮小した。現在の景気に対する判断(「良い」-「悪い」)が▲0.4(前月+5.2:改定前+3.2)とマイナスに転じ、現在の景気に対して悲観的な見方となった。また、現在の雇用機会に対する判断(「充分」-「困難」)は+5.9(前月+8.1:改定前+9.7)とプラス幅を縮小し、現在の労働市場に対する楽観的な見方が弱まった。
  • 期待指数の構成項目では、「雇用」がマイナス幅を拡大したほか、「収入」がプラス幅を縮小した一方、「景気」がマイナス幅を縮小した。6ヵ月後の雇用に対する見方(「多くなる」-「少なくなる」)は、▲10.9(前月▲10.3:改定前▲12.9)とマイナス幅が小幅拡大、雇用の先行きに対する悲観的な見方を強めた。また、6ヵ月後の収入に対する見方(「増加する」-「減少する」)は、+3.7(前月+5.1:改定前+1.5)とプラス幅を縮小し、収入に対する楽観的な見方を弱めた。一方、6ヵ月後の景気に対する見方(「良くなる」-「悪くなる」)は、▲3.8(前月▲7.0:改定前▲11.8)とマイナス幅を縮小し、景気の先行きに対する悲観的な見方を弱めた。
こちらのレポートについては、PDF形式によるご提供となっております。
右上にある「PDF閲覧のアイコン」をクリックしてご覧下さい。

本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

執筆者の最近のレポート

関連テーマのレポート

関連テーマ