- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月54,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月160円程度で推移するだろう
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日銀は利上げを続け、2026年後半に政策金利は1.0%に到達しよう
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FEDはFF金利を26年前半までに3.5%へと引き下げ、その後は様子見に転じるだろう
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金融市場
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前営業日の米国市場は、S&P500が▲0.1%、NASDAQが+0.1%で引け。VIXは16.9へと上昇。
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米金利はカーブ全般で金利上昇。予想インフレ率(10年BEI)は2.270%(+0.0bp)へと上昇。
実質金利は1.900%(+2.5bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は+56.9bpへとプラス幅縮小。 -
為替(G10通貨)はJPYが最弱。USD/JPYは155後半へと上昇。コモディティはWTI原油が58.3㌦(▲0.6㌦)へ低下。銅は11487.0㌦(▲148.5㌦)へ低下。金は4206.7㌦(+19.5㌦)へ上昇。
経済指標・注目点
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筆者が世界景気と日本株の先行きを占う上で、定点観測する工作機械受注統計(日本工作機械工業会)は、復調気配が定着してきた。通商政策に対する不透明感が後退する中、米国向けと中国向けが底堅さを増している。この間、国内の設備投資計画も堅調であることを踏まえると、全体として回復の流れが頓挫する可能性は低いと判断される。
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12月9日に発表された11月の受注額(原数値)は1362億円であった。前年比では+14.2%となり、伸び率は小幅に減速もしっかりとした増加基調を維持。筆者作成の季節調整値は前月比▲4.1%と減少したが、これは10月に同+12.3%と増加した反動であり、3ヶ月平均値では+3.3%と3ヶ月連続で増加している。単月の内訳は「国内向け」の季節調整済み前月比が▲13.3%と急減も、3ヶ月平均では同+0.4%と増加基調を維持。ただし前年比では▲8.1%とマイナス圏に沈んでいる。企業の投資意欲はそれなりに強いものの、人手不足が足かせとなり、設備投資の進捗が遅々としていることが一因として考えられる。関連投資の機械受注に目を向けると、受注残高および手持ち月数が積み上がっており、これに伴って新規受注が抑制されている可能性が示唆される。この間、「外需」は前月比▲0.5%と微減も、3ヶ月平均では+4.1%と力強い伸びを維持している。前年比では+23.2%と14ヶ月連続でプラスを維持し、いよいよ「離陸」の様相を呈してきた。地域別詳細は確報を待つ必要があるが、10月までの傾向から判断すると中国以外の地域が増加基調を維持したとみられる。
- 日本の工作機械受注は、そのサイクルがグローバル製造業PMIやアナリストの業績予想(TOPIX予想EPS)と連動性を有する。11月グローバル製造業PMIは50.5と好不況の分かれ目の目安とされる50を4ヶ月連続で上回った。通商政策の不透明感が後退する中、新規受注の回復が継続し、世界的に景況感の改善がみられている。そうした下でTOPIXの予想EPSは企業の資本効率改善に向けた取り組みが奏功していることも相まって増加基調を維持している。
- 製造業PMIを地域別にみると、11月に日本は48.7へと0.5pt上昇した。トランプ関税による直接的な影響は限定的である一方、AI向け以外の半導体需要が力強さを欠き、製造業全体として加速感に乏しい展開が続いている。もっとも、個人消費が緩慢ながらも回復傾向にあることを踏まえれば、大崩れは想定しにくい。日銀が算出する消費活動指数は実質値も緩やかな増加基調にある。この間、IT関連財の生産集積地である台湾は48.8へと1.1pt上昇した。輸出統計を見る限り、台湾のIT関連財産業は活況を呈しているが、強さは一部企業のAI関連品目に集中しているため、製造業全体としては精彩を欠く姿になっている。この間、韓国は49.4で横ばいであった。もっとも、同国のPMIが50を超えることは稀であるため、それほど悲観すべき結果ではない。
- 米国は52.2へと0.3pt上昇した。類似指標のISM製造業(48.2)との乖離が目立っているため、強さを割り引く必要はありそうだが、米国内におけるAI関連投資が隆盛を極めるなか、その恩恵が広がりを持ちつつあることを示唆している。データセンター投資は半導体に限らず、建設、発送電、冷却装置といった具合に広がりを持っている。11月は自動車販売台数も1560万台(年換算)と底堅さを維持しており、そうした下で景況感は良好に推移している。ユーロ圏は49.6へと0.4pt低下して再び50を割れた。財政拡張に舵を切ったドイツが48.2(10月49.6)と低下。2022年6月以来の50回復が遠ざかった。フランスも47.8(同48.8)へと低下。イタリア、スペインが50超で推移し域内景気を下支えしたが、全体として増勢は鈍化している。なお、欧州の新車販売台数はコロナ期に生じた断層が埋まる気配は感じられない。
- 中国は49.9へと0.7pt低下したものの、4ヶ月ぶりに50を下回った。既往の不動産市況悪化とトランプ関税対策として、中国当局は景気対策を強化しているものの、息切れ感が窺える。中国当局の政策態度を映じるといわれるマネー関連統計に目を向けると、10月の社会融資総量(新規フローの12ヶ月平均値)は前月比▲1.6%と3ヶ月連続で減少し、残高でみても前年比+8.5%と鈍化傾向にある。新規融資のGDP比(前年差)をとった通称クレジットインパルスは+1.7ptと横這い状態となっている。この指標が日本株の先行指標として機能してきた経緯を踏まえると、現在の株高は一定の裏付けを伴っていると言えるものの、先行きは上値が重くなると予想される。

- 工作機械受注サイクルの位置取りを確認するために、縦軸に受注額の水準(36ヶ月平均値からの乖離)、横軸に方向感(6ヶ月前比)をとった循環図をみると、直近数ヶ月は中心点付近で小さな渦を描いてきたが、最新値は右上領域に向けて歩み出したようにみえる。過去の経験則に従うなら今後も右上方向の進路をとると予想され、回復傾向がはっきりとしてくるだろう。これまで世界の株式市場はAIの頭脳として半導体関連銘柄を中心に物色してきたが、今後はハードとの融合である「フィジカルAI」に対する関心が広がろう。その場合、工作機械を中心に本邦製造業はロボット、FA(ファクトリー・オートメーション)など多くの関連業種を抱える。この見方が正しければ、工作機械受注は株式市場の有用な情報を与えてくれるのではないか。

藤代 宏一
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。






















