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2025.12.02
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RBNZブレマン新総裁就任、経済の立て直しと信頼回復が急務
~物価安定と情報開示を重視する姿勢の一方、当面のNZドル相場の方向感には不透明感~
西濵 徹
- 要旨
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- ニュージーランド準備銀行(RBNZ)では1日、ブレマン氏が新総裁に就任した。オア前総裁の突然の辞任を受けたラクソン政権による公募の結果、スウェーデン国立銀行(リクスバンク)の第1副総裁であった同氏が指名された。政権はRBNZの権限縮小や予算削減を進めており、金融政策委員の顔ぶれも大きく変わる見通しで、同行には独立性維持と信頼回復が求められる。なお、RBNZは先月に追加利下げを実施し、金融緩和局面が終盤にあるとの認識を示した。ブレマン氏は物価安定と透明性の確保を重視する姿勢を示し、情報開示拡大にも前向きの考えをみせる。一方、失業率悪化など景気は弱く、国民のみならず政権内にも政策への不満がくすぶるなか、早期の景気回復が課題である。為替はNZドルが米ドルに対して底入れの動きをみせるが、先行きには不透明感が残る。日本円に対しては日銀の政策の動向に注意する必要がある。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)では1日、ブレマン新総裁が就任した。同氏はスウェーデン国立銀行(リクスバンク)の第1副総裁を務めていた人物で、今年3月にオア前総裁が任期途中で突然辞任したことを受けてラクソン政権が実施した公募に応じ、300人を超える候補者のなかから新総裁に指名された経緯がある(注1)。なお、オア元総裁の辞任を巡っては、後にラクソン政権がRBNZの事業予算を大幅に削減する方針を示したことへの反発があったことが明らかにされている。ラクソン政権は、一昨年の発足直後に法改正を通じてRBNZの権限付託を縮小させるとともに、前述のように事業予算の大幅な削減に動くなど、同行の政策運営に対する関与を強めてきた。さらに、ブレマン氏の就任を受けて、オア氏の退任後に暫定総裁を務めたホークスビー氏は金融政策委員会から退くとともに、RBNZも離れるなど、政策委員の顔ぶれは大きく変わる。こうしたことから、ブレマン新体制の下でRBNZは中銀としての独立性を堅持しつつ、国民のみならず、政権のなかにはオア前体制の下で急速な利上げを進めたものの、その後の利下げへの転換が遅れたことが経済の長期低迷を招いたとの批判があるなか、経済の立て直しと政策運営への信頼を回復することが急務となっている。
ホークスビー前総裁の下で、RBNZは先月の定例会合で追加利下げを決定する一方、先行きの政策運営について、昨年以降における金融緩和局面の終盤に差し掛かっていることを示唆している(注2)。ブレマン新体制の下で開催される初の定例会合は来年2月18日に予定されており、新体制はこれまでの利下げによる景気への効果を十分に見定める時間的猶予が与えられることになる。ブレマン氏は指名された直後、物価への対応に「レーザーのように集中する」との考えを示しており、足元のインフレが再加速する兆しをみせるなかでその一挙一動が注目される。なお、ブレマン氏は2日に開催された議会の委員会に出席し、政策運営について「経済全体の動向を考慮しつつ、物価を低く安定させることが重要な責務」とした上で、「物価高は幅広い国民にとって痛手となるものの、とりわけ低所得世帯に打撃を与えることを忘れてはならない」と述べるなど、物価安定の重要性を強調する考えを示している。その上で、新体制の下での政策運営に関して「透明性と説明責任、明確な意思疎通に重点を置く」との考えを示しており、金融市場において金融政策委員会全体としての考え方や、各政策委員の投票結果などに関する情報公開を求める声が出ていることに対応する姿勢をみせている。その一方、足元の失業率は9年ぶりの高水準となるなど雇用環境も急速に悪化しており(注3)、前述したように国民のみならず、政権内にもRBNZの政策運営に対する不満がくすぶるなか、景気面の早期回復が求められる。足元のNZドルはRBNZによる金融緩和局面の終局示唆を受けて、米ドルに対して底入れする動きが確認されているものの、先行きの方向性については見通しが立ちにくい状況にある。また、日本円に対しては、高市政権による「責任ある積極財政」路線が円安を招くとの見方も影響して堅調な推移をみせる一方、日銀による政策運営の行方が影響する可能性に留意する必要がある。


注1 9月25日付レポート「RBNZ次期総裁はスウェーデン中銀第1副総裁のブレマン氏に」
注2 11月26日付レポート「RBNZ、追加利下げも利下げ局面の終了が近付いていることを示唆」
注3 11月5日付レポート「ニュージーランド、7-9月失業率は9年ぶりの高水準でNZドルは?」
西濵 徹
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 西濵 徹
にしはま とおる
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経済調査部 主席エコノミスト
担当: アジア、中東、アフリカ、ロシア、中南米など新興国のマクロ経済・政治分析
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