米国11月PMI は上昇し、民間部門の堅調持続を示す

~サービス業が34ヵ月連続、製造業は4ヵ月連続で拡大~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年11月のS&Pグローバル米国総合購買担当者指数(PMI)は、54.8(前月54.6)と市場予想中央値(Bloomberg集計)の54.5(筆者予想54.4)への低下に反して、前月比0.2%ポイント上昇し、拡大縮小の分岐点である50を34ヵ月連続で上回った。11月総合PMI(速報)は、高い水準で推移しており、トランプ関税、10月1日から43日続いた政府機関の一部閉鎖にもかかわらず、同統計調査対象企業の活動や民間需要が堅調さを維持していることを示した。
  • 製造業は、51.9 (前月52.5)と前月比0.6%ポイント低下したが、拡大を示す水準を4ヵ月連続で上回った。また、サービス業は、堅調な国内需要を背景に55.0(前月54.8)と34ヵ月連続で50を上回ったうえ、前月比0.2%ポイント上昇し、高い水準を維持した。
  • 主要項目では、総合新規受注は、55.0(前月53.6)とサービス主導で高い水準に上昇し、需要の強まりを示した。製造業が51.3(同54.0)と低下したが、サービス業が55.6(同53.6)と上昇した。また、総合雇用は、51.0(同51.3)と小幅低下し、雇用の拡大ペース鈍化を示した(雇用統計では雇用の拡大ペース減速)。製造業が52.0(同51.2)と上昇した一方、サービス業が50.9(同51.4)と低下し、全体を押し下げた。
  • インフレ関連では、総合投入価格指数が63.1(前月60.0)、総合産出価格指数が56.0(同54.7)とともに上昇し、企業はコスト増加を段階的に価格に転嫁していると考えられる。ただし、投入よりも産出指数の上昇が抑えられており、企業のマージン悪化を示している。製造業では、投入価格指数が62.2 (同62.4)と小幅低下にとどまったが、それを上回って産出価格指数が56.6(同58.3)と低下しており、財価格の上昇圧力の緩和と製造業のマージン悪化が示された。一方、サービス業では、投入価格指数が63.3(同59.6)、産出価格指数が55.9(同54.0)とともに上昇したが、投入が上回っていることから、サービス業のマージン悪化を伴うインフレ圧力の強まりを示唆している。
  • 製造業では、主要構成項目が50を維持するもと、雇用が52.0(前月51.2)、生産が53.6(同53.7)、と上昇したが、新規受注が51.3(同54.0)、在庫が50.1(同50.3)と低下した。
  • サービス業では、活動指数が55.0(前月54.8)と上昇し、高い水準を維持、事業活動の好調を示した。また、新規受注は、55.6(同53.6)と上昇し、需要の加速が示された。さらに、「将来の活動指数」は、68.9(同61.1)と高い水準に上昇、サービス関連企業は先行きに対して楽観的な見方を強めた。
  • 基調をみても、10、11月の総合PMI(平均)は、54.7と7-9月期の54.5から上昇し、米民間需要の拡大ペースの小幅加速が示された。製造業が52.2(7-9月期51.6)、サービス業が54.9(同54.8)とともに上昇し、拡大ペースの加速を示した。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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