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2025.11.10
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米国 景気加速とインフレ上昇を示唆(10月ISM非製造業)
~事業活動、新規受注が急上昇し全体を押し上げ~
桂畑 誠治
- 要旨
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- 25年10月のISM非製造業景気指数(総合、季節調整値)は、52.4(前月50.0)と前月比2.4%ポイント上昇し、市場予想中央値の50.8(筆者予想51.8)を上回った。25年2月以来の高い水準に上昇し、非製造業部門の拡大ペースが加速したことを示した。
- 10月のISM非製造業景気調査では、活動指数が54.3(前月49.9)と大幅に上昇した。前月は49.9と新型コロナ危機時の20年5月の45.4以降で初めて50を下回ったが、再び50台を回復、事業活動の持ち直しが示された。発表元によると、「医療・社会支援、小売業で、季節的な活動の堅調さが指摘された」ほか、「多くの業界で需要の安定が継続しているとの意見があった」などと事業活動の安定が報告された。また、新規受注指数が56.2(同50.4)と大幅に上昇、需要の強まりによって、拡大基調が当面続くことが示唆された。 一方、雇用が48.2(同47.2)と上昇したが、縮小を示す水準にとどまり、労働市場の緩やかな軟化を示唆した。回答者は、「広範囲にわたるレイオフや人員削減の兆候は見られなかったが、連邦政府の一部閉鎖が事業活動に影響を与え、将来のレイオフへの懸念を引き起こしていると何度か言及された」と政府機関の一部閉鎖の悪影響が懸念されている。また、仕入価格指数はさらに上昇し、インフレ圧力の強まりが示された。回答者は、「関税が支払価格に与える影響について引き続き言及した」と関税賦課のインフレへの影響が続いている。
- 非製造業総合指数の構成項目では、入荷遅延が50.8(前月52.6、前月比▲1.8%ポイント)と低下した一方、新規受注が56.2(前月50.4、前月比+5.8%ポイント)、活動指数が54.3(前月49.9、前月比+4.4%ポイント)、雇用が48.2(前月47.2、前月比+1.0%ポイント)と上昇した。
- 構成項目を詳細にみると、入荷遅延は低下し、物流の遅れの改善を示唆した。コメントでは、「高性能部品のサプライチェーンは依然として非常に逼迫している」、「主要な半導体サプライヤーによる予期せぬ契約破棄や撤退があり、納入状況は前月より僅かに悪化した」と一段の遅延が指摘された一方、「世界的な輸送費や地政学的要因が価格に影響を与えているものの、納入スケジュールは比較的安定しており、大きな改善や遅延は報告されていない」と物流の安定が指摘された。
- 一方、新規受注は、拡大を示す水準で、大幅に上昇した。拡大した業種が18業種中12業種(前月9業種)に増加し、縮小した業種が5業種(同6業種)に減少した。また、活動指数は、前月に新型コロナ危機時の2020年5月(45.4)以降で初めて50を下回ったものの、再び大幅に上昇し、高い水準となった。拡大した業種が18業種中10業種(前月8業種)と増加し、縮小した業種が3業種(同5業種)に減少した。拡大した10業種では、関税の影響を受け易い卸売業が年末商戦に向けた価格上昇の影響を回避するため拡大を続けたほか、需要の強い情報産業、医療・社会支援、教育サービス、宿泊・飲食サービスが拡大を持続、農林水産業、運輸・倉庫、小売業、専門・科学・技術サービス、公益が拡大に転じた。 雇用指数は小幅上昇したものの縮小を示す水準にとどまった。雇用の拡大した業種数が18業種中4業種(同6業種)にとどまり、縮小した業種数は10業種(同8業種)と増加した。
- インフレ関係では、仕入価格指数が70.0(前月69.4)と前月比+0.6%ポイント上昇し、高い水準にとどまったうえ、18業種中16業種(前月15業種)で上昇、支払価格の下落を報告した業種は鉱業のみにとどまっており、強いインフレ圧力が示された。
- 10月に拡大した業種数は、18業種中11業種と前月の10業種から増加した。拡大した業種は、強い順に、宿泊・飲食サービス、小売業、卸売業、不動産・賃貸・リース業、医療・社会支援、公益、運輸・倉庫、農林水産業、情報産業、専門・科学・技術サービス、教育サービスと続いた。一方、縮小した業種は、6業種と前月の7業種から減少した。
- 米国経済全体の景気動向を示す「ISM総合景気指数(非製造業景気指数と製造業景気指数の合成)」は、10月に52.1(前月49.9)と上昇し、拡大に転じたことが示された。四半期では、10月の製造業が48.7と7-9月期の48.6から上昇したほか、非製造業が52.4と7-9月期の50.7から上昇した。この結果、同期のISM総合景気指数は、52.0と7-9月期の50.5から上昇し、10-12月期の米経済の緩やかな成長持続を示唆している。
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
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経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
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