関税引き上げ後の民間部門の堅調持続を示す9月米PMI

~製造業は2ヵ月連続拡大、サービス業は32ヵ月連続拡大~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年9月のS&Pグローバル米国総合購買担当者指数(PMI)は、53.6(前月54.6)と前月比1.0%ポイント低下し市場予想中央値(Bloomberg集計)の54.0(筆者予想54.3)を下回ったものの、拡大縮小の分岐点である50を32ヵ月連続で上回った。9月総合PMI(速報)は、前月比で低下したが、高い水準を維持しており、8月のトランプ相互関税引き上げ後も、同統計調査対象企業の活動や民間需要が堅調さを維持していることを示した。
  • 製造業は、52.0 (前月53.0)と前月の大幅な上昇の後で前月比1.0%ポイント低下したものの、拡大を示す水準を2ヵ月連続で上回った。また、堅調な国内需要を背景にサービス業は、53.9(前月54.5)と32ヵ月連続で50を上回ったうえ、前月比0.6%ポイント低下にとどまり、高い水準を維持した。
  • 主要項目では、総合新規受注は、53.1(前月53.9)と低下したが高い水準を維持しており、需要の堅調持続を示した。製造業が50.9(同53.2)と大幅低下した一方、サービス業が53.5(同54.0)と小幅低下にとどまった。また、総合雇用は、51.7(同52.1)と小幅低下し、雇用の拡大ペースの鈍化を示した(雇用統計では雇用の拡大ペース減速)。製造業が52.6(同53.1)、サービス業が51.6(同52.0)とともに低下した。
  • インフレ関連では、総合投入価格指数が62.6(前月60.8)と上昇した一方、総合産出価格指数が56.0(同58.3)と高い水準だが低下した。企業のマージン悪化が示唆されており、企業は関税によるコスト増加を価格に転嫁しているものの限定的になっていると考えられる。製造業では、投入価格指数が65.8 (同66.1)と小幅低下したが、産出価格指数が56.5(同60.8)と低下幅が大きく、財価格の上昇圧力の若干の緩和と製造業のマージン悪化が示された。サービス業では、投入価格指数が62.0(同59.8)と上昇した一方、産出価格指数が56.0(同57.8)と低下するなど、サービス業のマージン悪化によるインフレ圧力の若干の緩和が示された。
  • 製造業では、雇用が52.6(同53.1)、生産が52.1(同55.2)、新規受注が50.9(前月53.2)、在庫が50.5(前月50.9)と主要構成項目が低下したが50を上回った。 サービス業では、活動指数が53.9(前月54.5)と低下したが、高い水準を維持し、事業活動の堅調さを示した。また、新規受注は、53.5(同54.0)と小幅低下にとどまり、需要の堅調持続が示唆された。さらに、「将来の活動指数」が65.1(同61.2)と高い水準に上昇し、サービス関連企業は先行きに対して楽観的な見方を強めている。
  • 基調をみると、7-9月期の総合PMIは、54.4と4-6月期の52.2から上昇し、米民間需要の拡大ペースの加速が示された。製造業が51.6(4-6月期51.7)と小幅低下にとどまったうえ、サービス業が54.7(同52.4)と大幅に上昇し、拡大ペースの加速を示した。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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