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2025.09.05
米国経済
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関税引き上げも8月ISM非製造業は拡大ペースを加速
~新規受注が多くの業種の拡大によって大幅上昇~
桂畑 誠治
- 要旨
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- 25年8月のISM非製造業景気指数(総合、季節調整値)は、52.0(前月50.1)と前月比1.9%ポイント上昇し、市場予想中央値の51.0(筆者予想51.8)を上回った。拡大縮小の分岐点である50を上回って上昇したほか、活動指数が55.0と高い水準に上昇しており、非製造業部門は拡大ペースを加速させた。底堅い国内需要のもと、8月7日に各国に対する相互関税の上乗せ率が確定したこともあり新規受注が急上昇した。トランプ2.0発足後、製造業部門が縮小を続けるなか、非製造業部門が拡大を続け、米経済成長を支えている。発表元によると「回答者の関税の影響に対する言及が増加した」と関税によるコスト増加懸念の一段の高まりが多数報告された。
- 非製造業総合指数の構成項目では、入荷遅延が50.3(前月51.0、前月比▲0.7%ポイント)と低下した一方、新規受注が56.0(前月50.3、前月比+5.7%ポイント)、活動指数が55.0(前月52.6、前月比+2.4%ポイント)、雇用が46.5(前月46.4、前月比+0.1%ポイント)と上昇した。総合指数への寄与度では、入荷遅延が前月比▲0.18%ポイントの押し下げ寄与となった一方、新規受注が同+1.43%ポイント、活動指数が同+0.60%ポイント、雇用が同+0.03%ポイントの押し上げ寄与となった。
- 主要項目別では、入荷遅延は低下したものの50を小幅上回り、限定的な物流の遅れを示唆した。在庫不足が配送の遅れに繋がっているとの指摘があった。
- 一方、新規受注は、拡大を示す水準で大幅に上昇した。拡大した業種が18業種中13業種(前月7業種)に増加し、縮小した業種が2業種(同7業種)に減少した。拡大した業種は、卸売業、教育サービス、芸術・娯楽・レクリエーション業、情報、運輸・倉庫、小売業、公益、企業向けサービス、医療・社会支援、金融・保険、公的部門、専門・科学・技術サービス、不動産・賃貸・リース。回答では、「データセンター建設が受注活動の増加を牽引している」とのコメントがあった。
- また、活動指数は、高い水準に上昇した。拡大した業種が18業種中9業種(前月9業種)と変わらなかったが、縮小した業種が3業種(同5業種)と減少した。拡大した9業種では、関税の影響を受け易い卸売業、小売業、運輸・倉庫が年末商戦に向けた価格上昇の影響を回避するための動きによって拡大を続けたほか、需要の強い情報産業、医療・社会支援が拡大を持続し、鉱業、芸術・娯楽・レクリエーション、専門・科学・技術サービス、教育サービスが拡大に転じた(下線は拡大・縮小が2カ月以上続いたことを示す、以下同様)。
- 雇用指数は小幅上昇したものの縮小を示す水準にとどまった。雇用の拡大した業種数が18業種中2業種(同7業種)と減少し、縮小した業種数は9業種(同9業種)と変わらなかった。8月に雇用の拡大を報告した2業種は、不動産・賃貸・リース、公益。
- インフレ関係では、仕入価格指数が69.2(前月69.9)と低下したが、高い水準にとどまったうえ、18業種中16業種(前月15業種)で上昇しており、強いインフレ圧力が示された。一方、8月に支払価格の下落を報告した業種はなかった。商品別では、ディーゼル燃料、ガソリンが下落した一方、鉄鋼製品、アルミニウム、アルミニウム製品、ソフトウェアライセンス、ソフトウェア保守、銅製品、電気部品等が上昇した。供給不足として、建設労働者が挙げられた。
- 8月に拡大した業種数は、18業種中12業種と前月の11業種から増加した。拡大した業種は、強い順に、情報産業、卸売業、芸術・娯楽・レクリエーション、鉱業、運輸・倉庫、教育サービス、専門・科学・技術サービス、小売業、公益、医療・社会支援、公的部門、不動産・賃貸・リース業と続いた。一方、縮小した業種は、宿泊・飲食サービス、企業向けサービス、その他サービス、建設業の4業種と前月の7業種から減少した。
- 米国経済全体の景気動向を示す「ISM総合景気指数(非製造業景気指数と製造業景気指数の合成)」は、8月に51.7(前月49.9)と上昇し、景気の加速が示された。四半期では、7、8月平均の製造業が48.4と4-6月期の48.7から低下した一方、非製造業が51.1と4-6月期の50.8から上昇した。この結果、同期のISM総合景気指数は、50.8と4-6月期の50.6から小幅上昇したが低い水準であり、7-9月期の米経済の緩やかな成長を示唆している。
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
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経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
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