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2025.08.07
米国経済
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予想外の低下も非製造業は底堅い(7月ISM非製造業)
~関税によるインフレ圧力の強まり~
桂畑 誠治
- 要旨
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- 25年7月のISM非製造業景気指数(総合、季節調整値)は、50.1(前月50.8)と市場予想中央値の51.5への上昇に反して前月比0.7%ポイント低下したが、拡大縮小の分岐点である50を上回ったほか、活動指数が52.6と安定を示す水準を維持していることから、非製造業部門の活動は緩やかな拡大ペースを維持していると判断される。トランプ2.0発足後、製造業部門が縮小を続けるなか、非製造業部門が拡大を続け、米経済成長を支えている。 発表元によると「季節や天候要因が事業にマイナスの影響を与えた」と夏季休暇や悪天候による活動の抑制が指摘された。また、「調査対象企業の間で最も多く話題になったのは、依然として関税の影響で、価格が上昇した商品への言及が増加した」と関税によるコスト増加懸念の高まりが報告された。
- 非製造業総合指数の構成項目では、入荷遅延が51.0(前月50.3、前月比+0.7%ポイント)と上昇した一方、活動指数が52.6(前月54.2、前月比▲1.6%ポイント)、新規受注が50.3(前月51.3、前月比▲1.0%ポイント)、雇用が46.4(前月47.2、前月比▲0.8%ポイント)と低下した。
- 主要項目別では、入荷遅延は50を小幅上回り、限定的な物流の遅れを示唆。回答者からは、「到着予定日数は前月比で概ね横ばい」と報告があった一方、「海外サプライヤーが電子機器など様々な材料の生産量を制限している」と生産抑制による入荷遅延が指摘された。
- 一方、活動指数は、低下したものの拡大を示す水準を維持した。拡大した業種が18業種中9業種(前月11業種)と減少し、縮小した業種が5業種(同3業種)と増加した。拡大した9業種では、関税の影響を受け易い卸売業、小売業、運輸・倉庫、企業向けサービスが拡大を続けた他、公的部門、金融・保険、情報産業、公益が拡大を持続し、医療・社会支援が拡大に転じた(下線は拡大・縮小が2カ月以上続いたことを示す、以下同様)。回答では、「銅関税の引き上げ前の購入増加」と駆け込み需要が指摘された一方、「州全体の洪水」が悪影響を与えたことが報告された。 また、新規受注は、低下も拡大を示す水準を維持した。拡大した業種が18業種中7業種(前月8業種)に減少し、縮小した業種が7業種(同4業種)に増加した。拡大した業種は、卸売業、運輸・倉庫、金融・保険、公的部門、その他サービス、企業向けサービス、公益。 さらに、雇用指数は縮小を示す水準で低下を続けたが、雇用の拡大した業種数が18業種中7業種(同5業種)と増加し、縮小した業種数は9業種(同9業種)と変わらなかった。7月に雇用の拡大を報告した7業種は、不動産・賃貸・リース、運輸・倉庫、小売業、卸売業、公益、金融・保険、情報。企業からの回答では、「サービス技術者が数人退職したが、この分野での採用は依然困難」、「退職者のポジションを優秀な人材で補充するのが困難」と積極的なリストラではなく、雇用のミスマッチが指摘された。
- インフレ関係では、仕入価格指数が69.9(前月67.5)と上昇し、高い水準にとどまったうえ、18業種中15業種(前月14業種)で上昇しており、インフレ圧力の強まりが示された。7月に支払価格の下落を報告したのは金融・保険業のみ。ディーゼル燃料、ガソリン、一部の木材、卵が下落した一方、鉄鋼製品、アルミニウム、アルミニウム製品、ソフトウェアライセンス、ソフトウェア保守、コンピューターおよび周辺機器、銅、一部の木材等が上昇した。供給不足として、熟練労働者、および鉄鋼製品が挙げられた。
- 7月に拡大した業種数は、18業種中11業種と前月の10業種から増加した。拡大した業種は、強い順に、運輸・倉庫、卸売業、金融・保険、小売業、その他サービス、企業向けサービス、公的部門、不動産・賃貸・リース業、情報産業、公益、医療・社会支援と続いた。一方、縮小した業種は、宿泊・飲食サービス、建設業、鉱業、教育サービス、農林水産業、芸術・娯楽・レクリエーション、専門・科学・技術サービスの7業種と前月の6業種から増加した。
- 米国経済全体の景気動向を示す「ISM総合景気指数(非製造業景気指数と製造業景気指数の合成)」は、7月に49.9(前月50.6)と低下し、景気の減速が示された。四半期では、7月の製造業が48と4-6月期の48.7から低下したうえ、非製造業が50.1と4-6月期の50.8から低下した。この結果、同期のISM総合景気指数は、49.9と4-6月期の50.6から低下し、7-9月期の米経済の減速を示唆している。
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
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経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
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