トランプ関税懸念が和らぎ7月米CB消費者信頼感は上昇

~ただし、水準は低く個人消費の緩やかな拡大を示唆~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年7月のCB消費者信頼感指数は、97.2 (前月95.2:改定前93.0)と前月比+2.0ポイント上昇し、市場予想中央値の96.0を上回った。ただし、水準は依然低く、個人消費の緩やかな拡大を示唆している。 現状指数が131.5(前月133.0:改定前129.1)と前月比▲1.5ポイント低下した一方、期待指数が74.4(前月69.9:改定前69.0)と同+4.5ポイントの大幅上昇となった。
  • 7月は、公表された経済指標の多くが景気の底堅さを示したことで、現在の景気に対する楽観的な見方が強まった。しかし、高い不確実性のもと企業が採用などに慎重になっており、労働市場の軟化が続いたとみられ、現状の雇用に対する楽観的な見方が弱まった。先行きに関して、6月以降、関税賦課合戦のような対立の回避を受け、トランプ関税による物価高騰や景気後退懸念が弱まっていることや、7月4日にOBBBA「One Big Beautiful Bill Act(1つの大きくて美しい法)」が成立したこと、金融市場が良好さを保っていることで、先行きに対する悲観的な見方が弱まった。
  • 現状指数の構成項目では、「景気」がプラス幅を拡大した一方、「雇用」がプラス幅を縮小した。現在の景気に対する判断(「良い」-「悪い」)が+5.8(前月+5.5:改定前+3.7)とプラス幅を拡大し、現在の景気に対する楽観的な見方を強めた。一方、現在の雇用機会に対する判断(「充分」-「困難」)は+11.3(前月+12.2:改定前+11.1)とプラス幅を縮小しており、現在の労働市場に対する楽観的な見方が弱まった。
  • 期待指数の構成項目では、「収入」がプラス幅を拡大した他、「景気」、「雇用」がマイナス幅を縮小した。6ヵ月後の収入に対する見方(「増加する」-「減少する」)は、+6.2(前月+4.7:改定前+3.9)とプラス幅を拡大し、収入に対する楽観的な見方を強めた。また、6ヵ月後の景気に対する見方(「良くなる」-「悪くなる」)は、▲4.9(前月▲7.7:改定前▲7.3)とマイナス幅を縮小し、景気の先行きに対する悲観的な見方を弱めた。さらに、6ヵ月後の雇用に対する見方(「多くなる」-「少なくなる」)は▲7.9(前月▲9.8:改定前▲10.5)とマイナス幅を縮小、雇用の先行きに対する悲観的な見方を弱めた。
  • 今後のCB消費者信頼感調査では、高い政策金利や引締まった信用状況、高い物価等が押し下げ要因となるものの、堅調な労働市場や名目所得の増加等が押し上げ要因となり、現状指数は横ばい圏で推移すると見込まれる。 一方、8月1日の相互関税上乗せの停止期限までに主要な貿易赤字国と通商合意する可能性が高い他、米中両国は、関税の引き下げ措置の期限を11月9日まで90日間延期する方針であり、合意への期待が高まり易い。米国の優位な内容での合意が続くことで、景気悪化懸念はさらに弱まり、期待指数の上昇が見込まれる。この結果、CB消費者信頼感指数は徐々に上昇し、個人消費を下支えすると予想される。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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