トランプ関税発動も企業活動の活発化を示す7月米PMI

~製造業が悪化した一方、サービス業は活発化。インフレ圧力は強いまま~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年7月のS&Pグローバル米国総合購買担当者指数(PMI)は、54.6(前月52.9)と前月比1.7%ポイント上昇し、市場予想中央値(Bloomberg集計)の52.8(筆者予想52.8)を上回った。7月総合PMI(速報)は、拡大縮小の分岐点である50を30ヵ月連続で上回ったうえ、同統計調査対象企業の活動活発化や民間需要の拡大ペースが加速したことを示した。製造業は、駆け込み需要の収束によって49.5(前月52.9)と前月比▲3.6%ポイントの大幅低下となり、縮小を示す水準に落ち込んだ。一方、サービス業は、堅調な国内需要を背景に55.2(前月52.9)と前月比2.3%ポイント上昇し、高い水準となった。30ヵ月連続で50を上回っている。
  • 主要項目では、総合新規受注は、53.0(前月52.3)と上昇し、需要の拡大ペースの加速を示した。製造業が49.7(同53.4)と大幅低下した一方、サービス業が53.6(同52.1)と上昇した。総合雇用は、52.2 (同52.5)と小幅低下し、雇用の拡大ペースの減速を示した(雇用統計では雇用の拡大ペース鈍化)。サービス業が52.6(同52.2)と上昇した一方、製造業が49.7(同53.7)と大幅に低下した。
  • インフレ関連では、総合投入価格指数が61.9(前月61.2)、総合産出価格指数が58.6(同58.1)とともに上昇し、高い水準にとどまっている。企業は、関税によるコスト増加を価格に転嫁しており、インフレ圧力の高まりを示している。製造業では、投入価格指数が64.6 (同69.7)、産出価格指数が60.8(同63.0)とともに低下したが高い水準にとどまっており、財価格の上昇圧力は強いままだ。サービス業では、投入価格指数が61.4(同59.7)、産出価格指数が58.2(同57.2)とともに上昇、インフレ圧力の強まりとサービス業のマージン悪化が示された。
  • 製造業では、新規受注が49.7(前月53.4)、雇用が49.7(同53.7)、生産が51.2(同53.7)、在庫が48.6(前月53.4)と低下した。
  • サービス業では、活動指数が55.2(前月52.9)と高い水準に上昇し、事業活動の加速を示した。また、新規受注は、53.6(同52.1)と上昇し、需要の加速を示した。さらに、「将来の活動指数」が63.1(同64.1)と低下したが高い水準を維持しており、サービス関連企業は先行きに対して楽観的な見方を維持している。
  • 基調をみても、7月の総合PMIは、54.6と4-6月期の52.2から上昇し、米民間需要の拡大ペースの加速が示された。製造業が49.5(4-6月期51.7)と縮小に転じた一方、サービス業が55.2(同52.4)と大幅に上昇、拡大ペースの加速が示された。
こちらのレポートについては、PDF形式によるご提供となっております。
右上にある「PDF閲覧のアイコン」をクリックしてご覧下さい。

本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

執筆者の最近のレポート

関連テーマのレポート

関連テーマ