トランプ関税駆け込みの反動収束で6月米小売は増加  

~小売売上の基調は堅調持続~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年6月の小売・飲食サービス売上高は、前月比+0.6%(前月同▲0.9%)と3ヵ月ぶりに増加し、市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の同+0.1%を大幅に上回った。業態別では、スポーツ用品・本・趣味用品、その他小売、無店舗小売が鈍化した一方、自動車・同部品、建設資材、食品・飲料、薬局、飲食店が増加に転じた他、衣料品、一般小売が加速した。また、ガソリンスタンドが横ばい、家具、家電が減少幅を縮小した。前年比でも小売・飲食サービス売上高は+3.9%(前月同+3.3%)と加速し、高い伸びとなった。
  • 6月の小売売上は、トランプ関税による価格上昇前の駆け込みの反動が収束した他、天候の改善等により拡大した。変動の大きい項目を除いたコア小売が拡大を続けており、個人消費は堅調な労働市場や、実質給与所得の増加等を背景に、底堅さを維持していると判断される。
  • 主要13業態のうち、拡大した業態は10業態(前月5業態)に増加し、縮小した業態は2業態(前月8業態)に減少した。拡大した業態は、自動車・同部品、建設資材、食品・飲料、薬局、飲食店、衣料品、スポーツ用品・本・趣味用品、一般小売、その他小売、無店舗小売。一方、縮小した業態は、家具、家電。ガソリンスタンドは変わらず。
  • 小売売上の他の分類では、自動車を除く小売・飲食サービス売上高が、前月比+0.5%(前月同▲0.2%)と市場予想中央値同+0.3%を上回った(4、5月合計0.1%上方修正)。また、自動車・ガソリンを除く小売・飲食サービス売上高は、同+0.6%(前月同0.0%)と市場予想中央値同+0.3%を上回った。GDPの算出に使用されるコントロール・グループ(自動車・ガソリン・建材・飲食店を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+0.5%(前月同+0.2%)と加速し、市場予想中央値の同+0.3%を上回った(4、5月合計0.3%下方修正)。 さらに、小売売上高の基調を判断するうえで重要なコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材を除く小売・飲食サービス売上高)は、同+0.5%(同+0.2%)と加速した。3ヵ月移動平均・3ヵ月前対比年率で+4.6%(前月+5.2%)と高い伸びを維持し、4-6月期では前期比年率+4.6%と1-3月期の同+3.7%から加速するなど、小売売上の基調は堅調さを維持している。
  • 4-6月期の実質個人消費は、価格上昇や節約志向の強まりによる抑制要因があったものの、トランプ関税引き上げ前の駆け込み効果の残存(下駄効果)、実質給与所得の増加、企業の販促等によって支えられ、前期比年率+2%台(1-3月期同+0.5%)に加速すると予想される。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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