- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月42,000円程度で推移するだろう。
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USD/JPYは先行き12ヶ月150円程度で推移するだろう。
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日銀は利上げを続け、2026年前半に政策金利は1.0%に到達しよう。
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FEDはFF金利を25年末までに4.0%まで引き下げ、その後は様子見に転じるだろう。
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金融市場
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前営業日の米国市場は、S&P500が▲0.4%、NASDAQが+0.2%で引け。VIXは17.4へと上昇。
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米金利はカーブ全般で金利上昇。予想インフレ率(10年BEI)は2.414%(+1.0bp)へと上昇。実質金利は2.051%(+3.8bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は+53.7bpへとプラス幅拡大。
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為替(G10通貨)はUSDが全面高。USD/JPYは148後半へと上昇。コモディティはWTI原油が66.5㌦(▲0.5㌦)へと低下。銅は9645.5㌦(+26.5㌦)へと上昇。金は3336.7㌦(▲22.4㌦)へと低下。
経済指標等
- 7月NY連銀製造業景況指数は+5.5と6月の▲9.2から予想外にプラス圏へ浮上。ISM製造業景況指数のウェイトを用いてISM換算した数値は54.7へと急上昇。振れの大きい指標であるが、均してみれば改善傾向にある。

注目点
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7月15日に発表された6月米CPIは前月比+0.3%、前年比+2.7%、コアCPIは前月比+0.2%、前年比+2.9%と概ね市場予想通りの結果となった。
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関税の価格転嫁とみられる動きもあってかコア財価格は上昇したが、それを家賃の減速が打ち消す格好であった。もっとも、関税引き上げ対応で積み上げられた安値の在庫が6月時点で残存していた可能性はあり、その見方が正しければ、7月以降にCPIが加速していく蓋然性はある。その場合、Fedの利下げが9月より遅い時期にずれ込むことも想定される。筆者は引き続き9月の利下げを予想するが、7月以降のインフレデータ次第では12月FOMCまで持ち越しになる可能性があるとみている。

- コア財は前月比+0.2%、前年比+0.3%と加速感が認められた。全ての貿易相手国に対する10%関税、中国に対する55%関税(含むトランプ1次政権時の関税)に照らし合わせれば、ごく僅かな変化に留まり「非連続的」とは言えないが、今後、インフレが加速していく可能性は十分にある。25%の関税が課せられている新車価格が前月比▲0.3%と低下したことが象徴するよう、企業は価格戦略についてまだ様子見であり、関税インフレがはっきりと表面化している訳ではない。ただし、日本や中国の貿易統計が映し出した、輸出価格を下げることで米国内の価格を維持するという企業行動は、価格弾力性が低い、或いは米国内の生産品で代替不可能な財について、そうした戦略を長期に亘って続ける合理性はない。6月CPIに話を戻すと、輸入品の割合が高い衣料品は同▲0.01%と落ち着いており、中古車は同▲0.7%と下落。前月比の変化が有意に上昇する品目はほとんどなかった。
- コア・サービスは前月比+0.3%、前年比+3.6%であった。この内、CPIの約3割を占める家賃については前月比+0.18%と2021年3月以来の低い伸びとなり、CPI全体を下押しした。住宅ローン金利の高止まりが住宅販売市場の冷却化を通じて、インフレ率引き下げに寄与したことになる。またFedが労働市場由来のインフレ圧力を計測するために重視していた、家賃を除くコア・サービスは前月比+0.2%、前年比+3.0%と落ち着き、3ヶ月前比年率の3ヶ月平均値に至っては+0.9%へと急減速している。

- これらの結果、コアCPIの瞬間風速は減速基調を維持。3ヶ月前比年率は+2.4%へと0.7%pt加速したものの、3ヶ月前比年率の3ヶ月平均値は+2.1%へと0.2%pt減速した。このままの流れであれば、Fedが9月に利下げに踏み切る蓋然性は高い。ただし、財価格が有意な上昇を始めれば、Fedがインフレ警戒を強めざるを得ず、利下げは後ずれする。
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- このように関税以外の要素が利下げを正当化している現状、関税インフレの動向を早期に見極める指標として、日本の企業物価(輸出物価)をはじめ各国の輸出関連統計が重要になってこよう。日本の北米向け自動車輸出価格を、米国内のインフレ先行指標として注目するのも一つの手だろう。
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藤代 宏一
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