- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月42,000円程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月150円程度で推移するだろう。
- 日銀は利上げを続け、2026年前半に政策金利は1.0%に到達しよう。
- FEDはFF金利を25年末までに4.0%まで引き下げ、その後は様子見に転じるだろう。
金融市場
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前営業日の米国市場は、S&P500が+0.5%、NASDAQが+0.5%で引け。VIXは16.7へと上昇。
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米金利はカーブ全般で金利低下。予想インフレ率(10年BEI)は2.284%(▲2.0bp)へと低下。実質金利は1.929%(▲2.9bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は+50.5bpへとプラス幅縮小。
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為替(G10通貨)はUSDが最弱。USD/JPYは144近傍へと低下。コモディティはWTI原油が65.1㌦(▲0.4㌦)へと低下。銅は9869.0㌦(▲9.0㌦)へと低下。金は3307.7㌦(+20.1㌦)へと上昇。
注目点
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日銀短観(6月調査)によると業況判断DIは、大企業製造業が+13と前回調査対比1pt上昇、悪化を見込んでいた市場予想に反してDIは改善した。トランプ関税の帰趨は判明していないものの、相互関税が10%程度の税率に落ち着くのであれば、(自動車以外の業種において)大きな影響はないとの判断が広がっている可能性を示唆する。また防衛費の拡大機運が高まっていることも景況感改善に繋がった可能性が指摘できる。この間、原油価格が安定していたことも景況感改善に寄与したとみられる。
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大企業非製造業は+34と前回調査対比1pt低下したものの、1991年以来の高水準を維持した。活況を呈するインバウンド、旺盛なDX関連投資、高止まりする建設需要が背景にあるとみられる。またここへ来て個人消費が緩やかながらも持ち直し傾向にあることも景況感改善に寄与したとみられる。先行き判断DIは大企業製造業が+12となり、現況対比1pt低下。自動車の低下も小幅で、製造業全体の景況感を悪化させるには至らなかった。大企業非製造業は+27と現況対比で慎重な見通しであったが、これは毎回のように観察される統計のクセとも言うべきものであり、必ずしも景気の先行きに慎重になっている訳ではないと推察される。

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業種別にみると、大企業製造業では、予想された通り自動車(3月調査:+13→6月調査:+8、以下同じ)が低下した。北米向け輸出価格の大幅引き下げによる収益圧迫が景況感を下押しした可能性が濃厚。他方、国内新車販売台数は直近12ヶ月累積値が480万台程度に水準を切り上げており、業況を下支えしたとみられる。その他では造船・重機(+27→+27)が高水準を維持。造船は国防関連支出の拡大、重機はインフラ関連需要の高まりが貢献した可能性が指摘できる。その他では鉄鋼(▲18→▲3)がマイナス幅縮小、化学(+13→+14)、窯業・土石製品(+15→+17)が小幅改善。堅調な設備投資計画を背景に、はん用機械(+27→+23)、生産用機械(+17→+15)、業務用機械(+19→+22)が何れもはっきりとしたプラス圏を維持。また半導体市況の拡大が鈍化する中、電気機械(+11→+11)はプラス圏で横ばいであった。
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大企業非製造業では、宿泊・飲食サービス(+46→+45)の強さが持続した。空前のインバウンド需要が背景にあり、事実、国際収支統計上の旅行収支受取額は年換算で10兆円程度に水準を切り上げている(グラフは3ヶ月平均値)。そうした下で対個人サービス(+24→+29)も水準を切り上げた。対面型サービス業は、人手不足による稼働率低下に直面しているとはいえ、業況悪化を招くには至っていない。その他では卸売(+29→+29)と小売(+21→+18)が堅調に推移。日銀算出の実質消費活動指数は、値上げによって名目値の拡大が続くなか、ここへ来て実質値も増加に転じており、こうした環境で企業は収益確保に成功した模様。この間、不動産(+59→+54)と建設(+39→+44)の強さも続き、物品賃貸(+39→+32)も高水準を維持した。現時点で、日銀の利上げが不動産市況を下押しした様子は見受けられない。旺盛なDX投資を背景に情報サービス(+46→+51)、通信(+42→+38)、対事業所サービス(+40→+45)の強さも続いた。
- TOPIX構成銘柄と属性の近い大企業全産業の業況判断DIは+23と、4調査連続で横ばいとなり高水準を維持。またTOPIXの予想EPSと密接に連動する売上高経常利益率の年度計画は+9.31%と前回調査から小幅に低下したものの、均してみれば上昇基調にある。円安の追い風を割り引く必要はありそうだが、値上げが奏功し、人件費増加をこなして収益力は一段と高まっている。

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なお日銀短観の調査は、前月からの変化を問うPMI等と異なり、比較時点を問わず、単刀直入に景況感を尋ねる形式である。そのため、回答にあたって自社の収益計画を基準にしている企業は多いと考えられる。自社計画を超過していれば「良い」「さほど良くない」「悪い」の3択から「良い」を選択するはずであるから、そうであれば業況判断DIの改善は業績上方修正の余地と考えることができる。短観とアナリスト予想の方向感が一致するのはそうした背景があるからではないか。
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次にインフレ関連項目に目を向けると、企業の物価見通し(全規模・全産業、1年後)は、販売価格見通し(≒自社製品・サービスの価格設定スタンス)が物価見通し(≒日本の物価上昇率)を上回る傾向が続いた。物価見通しが+2.4%であるのに対して、販売価格計画は+2.9%となっており、ここから判断すると、当分の間、積極的な価格転嫁が続くと思われる。こうした「販売価格計画>物価見通し」という構図はコロナ期前には観察されなかった新たなものであり、値上げによって収益を確保する企業行動が「新常態」になったことを窺わせる。最後に賃金由来のインフレ圧力を計測するために雇用人員判断DIに目を向けると、全規模全産業は▲35と不足感が若干和らいだ。もっとも非製造業は現況が▲44、先行きが▲48とより深刻な領域にあり、人材争奪戦が熾烈さを増している現状が浮き彫りとなった。人手不足を理由とする賃金上昇圧力は一段と強まっていると判断され、これは日銀の利上げを正当化する。今回の結果は日銀の利上げ確率を引き上げたと思われる。7月の利上げも否定できない。
藤代 宏一
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