株高不況 株高不況

6月の金融政策決定会合が近づいてきた 植田総裁は語るか

藤代 宏一

要旨
  • 日経平均株価は先行き12ヶ月61,000円程度で推移するだろう
  • USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
  • 日銀は利上げを続け、政策金利は26年6月に1.0%、27年7月に1.5%超となろう
  • FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう。
  • 6月16~17日の金融政策決定会合における利上げが広く予想されるなか、6月3日に植田総裁の講演機会(きさらぎ会)がある。2025年12月(19日)の利上げ決定に際しては、12月1日に植田総裁が下記のとおり発言し、利上げを強く示唆した経緯があったため、今回も6月3日講演が「予告」の場になるとの見方が相応にある。

図表
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  • 市場参加者の利上げ織り込み度合いを確認すると、まずOIS金利から逆算した6月会合における利上げ確率は78%と相変わらず高い。5月22日に植田総裁が高市首相と会談し、利上げの内諾を取り付けたとの憶測もある。表向きの目的は経済・物価、金融情勢を巡る意見交換であるが、市場関係者の間では、植田総裁が6月会合における利上げの意向を高市首相に伝えたとの見方が多い。またQUICK月次調査<債券>では、下表のとおり筆者を含む大半の回答者が「執行部が利上げを提案したうえで利上げ」となると回答していた。なお調査時期は5月26日~5月28日であった。

図表
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  • もっとも、6月3日の講演で植田総裁が昨年12月のように利上げを強く仄めかすとは限らない。事実、4月の金融政策決定会合における「主な意見」には「『利上げ前には日本銀行が必ずシグナルを出すと受け止められている』とすれば、それは好ましくなく、コミュニケーションのあり方を工夫していく必要がある」といった記載もあった。筆者は、植田総裁が利上げを示唆しなかったとしても、①4月会合における「主な意見」で利上げ肯定論が多数派であったこと、②前回の利上げから概ね半年が経過することなどに鑑みて6月の利上げを予想するが、植田総裁が「核心に触れない」展開には一定の留意が必要であろう。

  • 6月を含め将来的な利上げ観測が後退した場合に予想される金融市場の反応は、長期金利上昇であろう。現在のように長期金利が上昇傾向にあるもとで、利上げを講じると「火に油を注ぐ」ことになる可能性は確かにある。一方で緩和的な金融環境が長く続くと市場参加者が予想する場合、予想インフレ率の上昇を通じて名目長期金利が上昇する可能性は高い。日本の10年BEIは流動性の問題などから価格発見機能が弱いと言われているものの、既に2.2%程度の水準にあり、日銀の物価目標である2%からの上放れが警戒される状況にある。

図表
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藤代 宏一


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