米国 自動車の牽引で製造業生産拡大(5月鉱工業生産)

~自動車を除く製造業生産は縮小継続~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年5月の鉱工業生産は、前月比▲0.2%(前月同+0.1%)と市場予想中央値の同0.0%(筆者予想+0.1%)を下回った(24年12月-25年4月合計0.1%p上方改定)。鉱業が同+0.1%(同▲0.3%)と増加に転じた他、製造業が自動車の増加によって同+0.1%(同▲0.5%)と増加に転じ、市場予想中央値(筆者予想+0.1%)と一致した(24年12月-25年4月合計▲0.2%p下方改定)。一方、公益が前月の大幅な上昇の反動もあり同▲2.9%(同+4.9%)と縮小に転じ、全体を押し下げた。
  • 製造業では、自動車を除く製造業生産が同▲0.3%(同▲0.4%)と減少を続けたものの、自動車生産は、低い在庫水準のもと、関税賦課前に部品の在庫を積み増した企業や、25%の自動車関税発動によって米国内生産のコスト競争力が改善した企業等の生産の拡大で押し上げられた。
  • 生産の基調(3ヵ月移動平均・3ヵ月前対比年率)をみると、製造業生産が5月に+3.9%(前月+5.5%)、鉱工業生産は、同+1.5%(同+4.8%)とプラス幅を縮小した。航空機メーカーのスト終了後の挽回生産が継続しているものの、トランプ関税の本格発動前の駆け込み需要の収束を背景に、拡大の勢いが弱まっている。
  • 製造業の業種別生産動向を前月比でみると、拡大した業種は、拡大幅の大きい順に、自動車・同部品(+4.9%)、アパレル・皮革(+2.2%)、航空宇宙・その他輸送機器(+1.1%)、木材製品(+0.9%)、電気設備・機器・同部品(+0.9%)、家具・同関連製品(+0.9%)、繊維(+0.8%)、紙パ(+0.6%)、一次金属(+0.2%)、化学(+0.1%)、プラスチック・ゴム(+0.1%)の11業種(前月7業種)に増加した。
  • 25年の製造業生産は、年初の拡大や、低い在庫水準等によって押し上げられたものの、4月の自動車関税、相互関税の発動、5月の自動車部品関税の発動を受けた需要鈍化やコスト増加、中国のレアアースの輸出規制等によるサプライチェーンの混乱などによって、前年比+0.8%(24年▲0.5%、23年▲0.5%)と小幅の増加にとどまると見込まれる。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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