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2025.06.12
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米国 トランプ関税の影響顕在化もまだ限定的(5月CPI)
~財コア価格は前年比+0.3%と小幅ながら上昇~
桂畑 誠治
- 要旨
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- 25年5月の消費者物価(総合CPI)は、前月比+0.1%(前月同+0.2%)と低下し、市場予想中央値の同+0.2%(筆者予想同+0.2%)を下回った。食品が外食で低下したものの穀物・ベーカリー製品、野菜・果物の上昇によって、同+0.3%(同▲0.1%)と上昇に転じた。一方、エネルギーがガソリンの下落やガスの低下を背景に同▲1.0%(同+0.7%)と下落に転じたほか、エネルギー・食品を除く消費者物価(コアCPI)が同+0.1%(同+0.2%)と、市場予想中央値の同+0.3%(筆者予想同+0.3%)への上昇に反して、低下した。
- FRBは、6月のFOMCでも政策金利を据え置くと予想される。先行きの不確実性の高い状況が続く中、5月のCPI統計はインフレの上昇モメンタムの落ち着きを示したものの、コアCPIは前年比で+2.8%と高い上昇率にとどまっている他、労働市場が堅調さを維持していることから、FRBはトランプ2.0の政策の進展を見極める時間的な余裕がある。
- 金融市場では、総合CPI、コアCPIがともに市場予想を下回ったことを受け、FF先物の利下げの織り込み度合いが強まり、10年国債利回りが低下した。ドルは主要通貨に対して下落し、主要株価指数は一旦上昇した。
- トランプ関税は、2月に中国からの輸入品に対して10%賦課され、3月に中国からの輸入製品に対して10%上乗せされたほか、カナダ、メキシコからの輸入製品の一部に25%の関税が課された。4月に25%の自動車関税、10%の相互関税が発動されたうえ、中国からの輸入製品に対して125%の関税が上乗せされた(トランプ2.0での対中関税賦課は計145%)。5月に25%の自動車部品関税が発動された。一方、5月12日に米中がそれぞれ115%の関税引き下げ(14日に引き下げ)や、米国が90日間相互関税の上乗せを行わないことで合意したため、貿易の停止や異常な価格高騰は一旦回避できた。ただし、中国からの輸入製品に対する30%の関税は課されたままとなったため、財価格の押し上げ要因となっている。
- このような関税政策のもと、玩具、家電等の上昇率が高まった。一方で、駆け込み輸入による在庫増加の効果の他、駆け込み需要の剥落による値下げ、貿易相手国の輸出価格の引き下げ等の影響で、5月のコアCPIは低い伸びにとどまった。しかし、今後在庫の減少によって、財価格の押し上げ圧力が強まっていくと予想される。
- コアCPIでは、財コアが前月比0.0%(前月同+0.1%)、サービスコアが+0.2%(同+0.3%)とともに低下した。財コアでは、トランプ関税の影響によって、自動車部品が上昇に転じたうえ、家庭用耐久品・消耗品、医療用品が上昇した。また、余暇商品は同率の伸びを維持し、教材が変わらずとなった。特に、玩具、家電の上昇ペースが加速した。一方、在庫の積み増しや駆け込み需要の反動によって、新車、アルコール飲料が下落に転じた他、衣料品が下落幅を拡大、中古車は下落を続けた。さらに、情報機器、その他財が低下した。サービスコアでは、自動車メンテナンス・修理、電話サービスが下落に転じたほか、帰属家賃、賃貸料、専門医療、病院・関連サービス、医療保険、レンタカー、上下水道・ゴミ収集サービスが低下した。
- CPIコアの上昇モメンタムをみると、6ヵ月前対比年率で+2.6%(前月+3.0%)と高い水準にとどまっているが、3ヵ月前対比年率で+1.7%(前月+2.1%)と2%を下回る伸びに低下しており、短期的なインフレ圧力の緩和を示した。
- 前年同月比では、総合が+2.4%(前月+2.3%)と上昇し、市場予想中央値(筆者予想同+2.4%)と一致した。食品は、外食の低下も食材の上昇によって、+2.9%(同+2.8%)と上昇したほか、エネルギーが▲3.5%(同▲3.7%)と下落幅を縮小した。一方、コアCPIが+2.8%(同+2.8%)と横ばいとなり、市場予想中央値の+2.9%(筆者予想同+2.9%)を下回った。コアCPIを財、サービス別にみると、財コアが+0.3%(同+0.1%)と上昇したほか、サービスコアが+3.6%(同+3.6%)と同率となった。
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
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経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
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