トランプ関税の部分停止で米消費マインド回復(5月CB消費信頼感)

~対中国関税の引き下げ、英国との通商合意等を受け先行きの悲観的な見方が和らいだ~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年5月のCB消費者信頼感指数は、98.0(前月85.7:改定前86.0)と前月比+12.3ポイント上昇、市場予想中央値の87.1を大幅に上回った。現状指数が135.9(前月131.1:改定前133.5)と前月比+4.8ポイント上昇したほか、期待指数が72.8(前月55.4:改定前54.4)と同+17.4ポイントの大幅上昇となった。
  • 5月には、自動車部品関税が発動した一方、英国と通商合意が成立した他、対中国関税率の115%の引き下げなど米国経済への悪影響を緩和する動きがあり、消費者マインドは大幅に改善した。トランプ関税による物価の大幅な上昇懸念や景気悪化懸念の弱まりを背景に、消費者が景気や雇用の先行きに対する悲観的な見方を弱めたうえ、収入に対して楽観的な見方に転じるなど、全体として5月の個人消費の加速を示唆している。
  • 現状指数の構成項目では、「雇用」がプラス幅を縮小した一方、「景気」がプラス幅を拡大した。期待指数の構成項目では、「収入」がプラスに転じた他、「景気」、「雇用」がマイナス幅を縮小した。
  • インフレに関しては、対中国関税率の大幅な引き下げを受け、物価押し上げ懸念等が弱まり、1年先のインフレ見通しが6.5%(前月7.0%)と小幅低下した。ただし、水準は依然高く、インフレへの懸念は強いままである。
  • 25年8月にかけて、CB消費者信頼感調査では、高い政策金利や引締まった信用状況、高い物価等が押し下げ要因となるものの、堅調な雇用情勢や名目所得の増加等が押し上げ要因となり、現状指数は横ばい推移すると見込まれる。一方、7月9日の相互関税上乗せの停止期限までに主要な貿易赤字国と通商合意する可能性が高いものの、対中国では関税の90日間の引き下げ措置の期限である8月12日までに通商合意できる可能性は低く、物価上昇や景気悪化への懸念の残存を背景に、期待指数の大幅な改善は期待できない。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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