- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月39,000円程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月150円程度で推移するだろう。
- 日銀は半年に一度の利上げを続け、2026年1月までに政策金利は1.0%に到達しよう。
- FEDはFF金利を25年末までに4.0%まで引き下げ、その後は様子見に転じるだろう。
金融市場
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前営業日の米国市場は、S&P500が+0.7%、NASDAQが+0.5%で引け。VIXは17.2へと低下。
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米金利はカーブ全般で金利上昇。予想インフレ率(10年BEI)は2.359%(+2.0bp)へと上昇。
実質金利は2.110%(+2.6bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は+47.3bpへとプラス幅拡大。 -
為替はUSDが中位程度。USD/JPYは145後半で一進一退。コモディティはWTI原油が62.5㌦(+0.9㌦)へと上昇。銅は9447.5㌦(▲129.5㌦)へと低下。金は3187.2㌦(▲39.4㌦)へと低下。
経済指標等
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米国債はMoody’sにより格下げされ、AaaからAa1とされた。2011年のS&P社、2023年のFitch社に続く格下げで、米国債は主要3格付け機関から全て最上位を失った。同社は「歴代の米政権と議会は、年間の巨額財政赤字と金利コスト増大の傾向を逆転させる措置で合意できていない」と指摘。これに対してベッセント財務長官は「ムーディーズの格下げは『遅行指標』だ、みんなそう思っている。ムーディーズの格下げを誰が気にするでしょうか?カタールもサウジもUAEも気にせず彼らは資金を投入している」と発言。筆者は、基軸通貨を擁する米国の国債は他国との比較で別格であり、「金」に並ぶ安全資産であると見做している。「信用」という点において、今回の格下げはあまり重要でないと判断する。もっとも、現在米国が直面しているリスクにインフレがあり、これは米国債の魅力を間違いなく蝕んでいる。今回の格下げは、インフレ再燃が市場参加者の中心的な関心事にある局面で実施されており、その点において米国債金利上昇に繋がり易いと思われる。
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5月ミシガン大学消費者信頼感指数は50.8となり、トランプ政権発足以降は4ヶ月連続で悪化した。調査期間は4月22日から5月13日であり、5月11日の米中通商交渉の暫定合意はほとんど反映されていないとみられる。トランプ関税が消費者心理を圧迫していることは確定的であるから、各国との通商交渉進展が予想される、6月以降は若干の持ち直しが期待される。予想インフレ率は1年先が+7.3%、5-10年先が+4.6%へとそれぞれ上昇した。予想インフレ率の形成にあたって、政権に対する嫌悪感が混入している可能性もあり評価は難しいが、こちらも米中通商交渉の進展に伴い6月以降は低下が予想される。
注目点
- 筆者が景気と株価の先行きを占う上で、定点観測する工作機械受注統計(日本工作機械工業会)は下値固めの様相を呈してきた。米国の政策不透明感もあって回復の足取りは遅々としているが、国内の設備投資計画が堅調な中、中国の景気刺激策もあり、前年比伸び率は7ヶ月連続のプラスとなった。5月13日に発表された4月の受注額(原数値)は1302億円、前年比伸び率は+7.7%であった。筆者作成の季節調整値は3月に前月比+8.5%と増加した反動もあり、4月は同▲6.9%と減少に転じたが、それでも3ヶ月平均値では+1.2%とプラス転化した。単月の内訳は「国内向け」の季節調整済み前月比が▲15.4%と大幅に減少し、前年比では▲5.4%と6ヶ月ぶりにマイナスとなった。一方の「外需」は前月比でみれば▲3.9%と減少したが、前年比では+13.3%と2ヶ月連続で2桁成長を記録。地域別詳細は確報を待つ必要があるが、3月までの傾向から判断すると中国を中心とする東アジア向けが持ち直した可能性が指摘できる。
- 日本の工作機械受注は、そのサイクルがグローバル製造業PMIやアナリストの業績予想(TOPIX予想EPS)と連動性を有する。グローバル製造業PMIは2025年1月に50.0を回復すると、3月まで50超を維持したものの、4月に入って米国発の通商交渉の不透明感に直面すると、4月は49.8となった。関税引き上げを睨んだ米国向けの駆け込み需要が混入しているとみられ、何とも評価は難しいが、昨年夏場の停滞から抜け出しつつあるようにみえる。地域別では日本が48.7へと0.3pt上昇。個人消費が力強さに欠ける中、自動車生産の回復が遅々としており、上抜けていく兆しに乏しい。IT関連財の生産集積地である台湾は47.8へと2.0pt低下し、韓国も47.5へと1.6pt低下した。共に新規受注が落ち込んでおり、この背景には、通商交渉の帰趨が判明するまで意思決定を先延ばしにする企業行動があると判断される。
- 米国は50.2と前月から不変。ユーロ圏ではドイツが48.4(3月48.3)、フランスが48.7(同48.5)と苦境から脱出しつつある。対米輸出の落ち込みに対する警戒感から、各国政府が自国産業の梃入れに動いていることが背景にあるのかもしれない。ただし、4月時点において欧州の新車販売台数はコロナ期に生じた断層が埋まる気配はほとんど感じられない。
- 他方、中国は50.4へと0.8pt低下したものの、7ヶ月連続で50超を維持した。既往の不動産市況の悪化に起因する景気の下押し圧力と、トランプ関税によるショックを和らげようと、中国当局が景気対策に本腰を入れ始めたことが効いてきた可能性がある。そうした変化を象徴するとして、マネー関連統計の伸びがある。4月の社会融資総量(新規フローの12ヶ月平均値)は前月比+3.5%と5ヶ月連続で増加し、社会融資総量残高も前年比+8.7%と底打ちの兆しがある。新規融資のGDP比(前年差)をとった通称クレジットインパルスをみても+1.0ptとプラスに転化しており、政策態度の変化がマネー統計に表面化してきた可能性が窺える。この指標が日本株の先行指標として一定の有用性を有してきたことに鑑みると、当面は注視する価値があると筆者は判断している。

- 工作機械受注サイクルの位置取りを確認するために、縦軸に受注額の水準(36ヶ月平均値からの乖離)、横軸に方向感(6ヶ月前比)をとった循環図をみると、直近3ヶ月は右下局面(低水準・伸び率プラス)で小さな渦を描きつつあるが、過去の経験則に従うなら今後は右方向へ進んだ後、上向き方向に進路をとると予想される。当面の株価は、米国との通商交渉次第であるが、やや長い目でみると、製造業の循環的な回復に期待ができる。

藤代 宏一
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