米国 トランプ関税駆け込みの反動で4月小売は鈍化  

  ~消費者マインドの低下ほど小売は悪化せず~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年4月の小売・飲食サービス売上高は、前月比+0.1%(前月同+1.7%)と大幅に減速したが、市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の同0.0%(筆者予想同▲0.1%)を上回った(1-3月期合計0.2%上方修正)。なお、前年比では+5.2%(前月同+5.2%:改定前同+4.6%)と高い伸びを維持した。業態別では、自動車・同部品、薬局、衣料品、スポーツ用品・本・趣味用品、一般小売、その他小売が減少に転じたほか、家電、建設資材、飲食店は拡大ペースを鈍化した。一方、家具が増加に転じ、無店舗小売が加速した。また、ガソリンスタンドが減少幅を縮小した。食品・飲料は2ヵ月連続で横ばいとなった。
  • 4月の小売売上は、3月のトランプ関税前の駆け込み需要の反動によって前月比で大幅減速した。ただし、トランプ2.0への懸念で消費者マインドが4月にかけて急激に低下したものの、堅調な労働市場や、実質給与所得の増加等によって、個人消費は底堅さを維持している。
  • 主要13業態のうち、拡大した業態は5業態(前月10業態)に減少し、縮小した業態が7業態(前月2業態)に増加した。
  • 他の分類では、自動車を除く小売・飲食サービス売上高が前月比+0.1%(前月同+0.8%)と鈍化し、市場予想中央値+0.3%(筆者予想同+0.2%)を下回った(1-3月期合計0.1%上方修正)。また、GDPの算出に使用されるコントロール・グループ(自動車・ガソリン・建材・飲食店を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比▲0.2%(前月同+0.5%)と市場予想中央値の+0.3%(筆者予想同+0.4%)に反して減少した。
  • 小売売上高の基調を判断するうえで重要なコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+0.1%(前月同+0.9%)と鈍化したが、1-3月期合計で0.2%上方修正されたこともあり、3ヵ月移動平均・3ヵ月前対比年率で+5.3%(前月+3.7%、改定前+3.0%)と上昇し、拡大モメンタムを強めた。四半期で、4月は前期比年率+3.7%と1-3月期の同+3.7%(改定前同+3.0%)と同率の伸びを維持したほか、10-12月期が同+5.5%(改定前同+5.2%)と上方改定された。
  • 4-6月期の実質個人消費は、価格上昇や節約志向の強まりによって抑制されるものの、トランプ関税引き上げ前の駆け込み効果の残存、実質給与所得の増加、企業の販促等によって支えられ、前期比年率+2%程度(1-3月期同+1.8%)と前期並みの伸びを維持すると予想される。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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