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トランプ大統領就任100日:米国内の評価は?

~支持率は緩やかに低下するものの、共和党員は関税策を好感~

前田 和馬

4月29日、トランプ米大統領は1月20日の再就任から100日を迎えた。同日のミシガン州デトロイト近郊の演説では「関税政策によって大企業による米国への投資が相次いでいること」「原油安を中心にインフレが鎮静化しつつあること」「不法移民が激減していること」などを強調した。

就任後のトランプ大統領の支持率は緩やかな低下傾向を示している(図表1)。特に経済政策やインフレへの評価が芳しくなく(図表2)、4月2日発表の相互関税を中心とした一連の関税政策が景気後退やインフレ再加速を招くとの懸念は強い。とはいえ、トランプ関税への見方は支持政党によって大きく異なっており、民主党員や無党派層がこれに否定的な見解を示す一方、共和党員は総じて関税に肯定的なスタンスを保っている。例えば、相互関税発表後の4月3~7日に実施されたキニピアック大学の世論調査に基づくと(図表4)、共和党員の46%が「関税が短期的に米国経済を助ける」と回答したほか、「長期的にみると関税がプラス」との回答は87%に達している。他方、メキシコ国境沿いの不法移民の拘束者数が急減していることを背景に、トランプ政権による移民政策への評価は相対的に悪くない。

今後の経済政策における注目点は、まず各国との交渉を含む関税政策の展開である。インド、韓国、日本との個別交渉が先行しているとみられる一方、米国は①交渉範囲や目標などの枠組み、②品目別関税率などの具体的内容、の2段階に分けて交渉を進めていく予定であり、米国側がどの程度関税率を引き下げるのかは現時点で明確ではない。一時停止中の「相互関税の追加分」の撤回は交渉の範囲内とみられるが、既に発動済みの「相互関税10%」及び「自動車等の品目別関税」の撤回を巡っては、米国内における関税への反発がどの程度強まるかが焦点となる。トランプ関税による小売価格への転嫁が今後徐々に進行すると見込まれるなか、前述した共和党員が抱く関税へのポジティブな見方がどのように変化するかが注目される。また、国民の不満が交渉妥結前により一層強まる場合、従来の関税率を維持しつつも、29日に自動車・部品関税への軽減措置(米国製自動車における部品輸入の関税負担を一部還付等)を発表したのと同様、関税対象品目の削減や実質的な税率引き下げによって負担軽減措置を積極化する可能性がある。

また、関税以外では連邦議会で審議されている減税案の進展も注目される。28日、ベッセント財務長官は独立記念日の7月4日までに減税法案の可決を目指すと言及した。2025年末に失効するトランプ減税(TCJA)の延長のほか、トランプ大統領が選挙公約としていたチップ収入への免税などが期待される一方、下院共和党は財政悪化への懸念からメディケイド(低所得者向け医療保険)の歳出削減を主張するなど、最終的な減税規模には不透明感が残る。  

図表1
図表1

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前田 和馬


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前田 和馬

まえだ かずま

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 米国経済、世界経済、経済構造分析

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