米国トランプ関税で財価格の上昇圧力強まる(4月PMI)

~企業はトランプ関税を販売価格に転嫁へ~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年4月のS&Pグローバル米国総合購買担当者指数(PMI)は、51.2(前月53.5)と前月比2.3%ポイント低下し、市場予想中央値(Bloomberg集計)の52.0を下回った。4月総合PMIは、拡大縮小の分岐点である50を27ヵ月連続で上回ったものの、同統計調査対象企業の活動や民間需要の拡大ペースが減速したことを示した。
  • 製造業は、50.7(前月50.2)と前月比0.5%ポイント上昇したが、低い水準にとどまった。発表元によると「経済の不確実性の高まり、サプライチェーンを巡る懸念、輸出減少によって製造業は全般的に停滞している」と指摘された。一方、サービス業は、51.4(前月54.4)と27ヵ月連続で拡大縮小の分岐点である50を上回ったものの、前月比3.0%ポイントと大幅に低下した。米民間サービス業の活動は、トランプ関税による不確実性の高まり、インフレ圧力等による需要の拡大ペース減速を背景に、鈍化した。
  • 総合新規受注は、52.5(前月53.3)と低下し、需要の拡大ペースの鈍化を示した。また、総合雇用は、50.8 (同51.5)と低下し、雇用の拡大ペース鈍化を示した(雇用統計では雇用の拡大ペース減速)。
  • インフレ関連では、総合投入価格指数が59.4(前月61.1)と低下したが高い水準にとどまった他、総合産出価格指数が55.2(同53.5)と上昇し、消費者段階でのインフレ圧力が再び強まり始めたことを示した。発表元によると4月調査では、関税が価格上昇の主因として挙げられたほか、労働コストの上昇も継続していることが報告された。これらの影響で、産出価格の上昇が続いている。製造業では、投入価格指数が66.9 (同66.0)、産出価格指数が60.8(同58.8)とともに高い水準となり、財価格の一段の上昇を示唆した。また、サービス業では、投入価格指数が58.0(同60.3)と低下したが高い水準にとどまり、産出価格指数が54.2(同52.6)と上昇した。消費者段階でのサービス価格の上昇傾向のほか、サービス業のマージン悪化を示した。
  • 4月総合PMIは、51.2と1-3月期の52.6(10-12月期54.8)から低下し、米民間需要の拡大ペースの鈍化が示されている。製造業が50.7と1-3月期51.4から低下したうえ、サービス業が51.4(同52.8)とともに低下した。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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