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2025.04.18
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トルコ中銀、リラ防衛へ一転利上げも、不透明感は払しょくできず
~エルドアン政権の強権姿勢が市場の混乱に拍車を掛けるなか、中銀は独立性を維持できるか~
西濵 徹
- 要旨
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トルコ中銀は、17日の定例会合で政策金利を350bp引き上げ46.00%とする決定を行った。同行は昨年12月から利下げに動いてきたが、先月のイスタンブール市長の身柄拘束をきっかけに金融市場は混乱し、リラ安に加え、株安や金利高に見舞われた。こうした事態を受けて、中銀は政策転換を迫られた格好である。
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市場では金利据え置きが予想されていたが、中銀は足元の金融市場の動きや内需の強さでインフレ鈍化の勢いが弱まっているとの見方を示した。その上で、物価動向次第で追加利上げに動く可能性も示唆した。
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リラ相場は予想外の利上げを受けて一時的に上昇している。しかし、エルドアン政権の強権姿勢が中銀に金融緩和を迫るとの懸念に加え、市場の混乱長期化も重なり、先行きは不透明な展開が続くと見込まれる。
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トルコ中央銀行は、17日に開催した定例の金融政策委員会において、政策金利である1週間物レポ金利を350bp引き上げて46.00%とする決定を行った。同行は、このところのインフレ鈍化を受けて昨年12月に利下げに舵を切るとともに、先月の定例会合まで3会合連続の利下げを実施してきた。しかし、一転して利上げに動く政策転換を迫られた。これは、先月の検察による最大都市イスタンブール市のイマモール市長の身柄拘束をきっかけに(注1)、その後の金融市場において通貨リラ、株式、国債のすべてに売り圧力が掛かる事態に発展したことが影響している。
なお、一連の動きを受けてリラの対ドル相場は大きくリラ安に調整したものの、中銀は緊急会合を開催して翌日物貸出金利の引き上げによる事実上の引き締めに動くとともに、国有銀行などを通じた外貨売却など防衛策を講じた。さらに、足元では事実上の資本規制を受けてリラ相場は横這いで推移しており、表面的には沈静化の兆しがうかがえる。しかし、主要株式指数(イスタンブール100指数)は下落基調が続き、長期金利(10年債利回り)は高止まりするなど、金融市場の混乱は長期化している。この背景には、同氏が逮捕された背景としてエルドアン政権による『政治的動機』が影響したとの見方がくすぶっていることがある。事実、同氏が逮捕された後に野党支持者などを中心に大規模デモが実施されたものの、政権は多数のデモ参加者を拘束するなど『締め付け』の動きをみせる。さらに、エルドアン氏が強権姿勢を強めるなか、中銀に対して金融緩和を強いるとの懸念も高まっていることも市場の不安要因となっている。

他方、昨年半ばを境に頭打ちしてきたインフレは3月も前年同月比+38.1%と前月(同+39.1%)から鈍化しており、2021年12月以来の伸びとなっている。しかし、中銀は今回の決定を巡って、物価動向について「このところの金融市場の動きが財価格を押し上げると見込まれるほか、内需が想定から上振れしていることに鑑みれば、ディスインフレの動きが弱まっている様子がうかがえる」との見方を示している。その上で、「予想物価と価格決定行動がディスインフレのプロセスに対するリスクを招いている」として、先行きの政策運営について「物価見通しが著しく、かつ持続的に悪化する場合は追加的な引き締めが必要になる」と追加利上げに含みを持たせる考えをみせている。

事前の市場予想においては、中銀は政策金利を据え置くとの見方が大勢を占めていたものの、予想外の利上げに動いたことを受けて、リラ相場は小幅に上昇するなど調整局面が続いた流れに変化の兆しが出ている。しかし、上述したように、エルドアン政権が強権姿勢を強めるなかで、今後は中銀に対して金融緩和を迫る可能性が懸念されることに鑑みれば、上値の重い地合いが続くと見込まれるなど、見通しの立ちにくい展開が続くであろう。
注1 3月21日付レポート「「トルコ・ショック」ふたたび、政治不信による動揺の向かう先は」
西濵 徹
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 西濵 徹
にしはま とおる
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経済調査部 主席エコノミスト
担当: アジア、中東、アフリカ、ロシア、中南米など新興国のマクロ経済・政治分析
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