米国 トランプ関税前の駆け込みで3月小売は上振れ

  ~1-3月期の個人消費は暴風雪で大幅減速の見込み~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年3月の小売・飲食サービス売上高は、前月比+1.4%(前月同+0.2%)と加速し、市場予想中央値(ブルームバーグ集計)と一致したうえ、1、2月合計で0.2%上方修正されており、市場想定よりも若干強い内容となった(筆者予想同+1.2%)。
  • 3月の小売売上は、ガソリン価格の下落等による押し下げ圧力を受けたものの、自動車等でのトランプ関税による価格上昇を警戒した駆け込み需要や天候の改善等によって、押し上げられた。トランプ2.0で消費者のマインドが低下しているものの、堅調な労働市場や、実質給与所得の増加等によって、個人消費は支えられている。
  • 主要13業態のうち、拡大した業態は11業態(前月6業態)に増加し、縮小した業態が2業態(前月6業態)に減少した。家具が減少に転じたほか、ガソリンスタンドが減少幅を拡大した。一方、自動車・同部品、建設資材、衣料品、スポーツ用品・本・趣味用品、飲食店が増加に転じたほか、家電、一般小売が加速した。また、食品・飲料が同率の伸びとなった。薬局、その他小売、無店舗小売は拡大ペースを鈍化した。
  • 他の分類では、自動車を除く小売・飲食サービス売上高が前月比+0.5%(前月同+0.7%)と鈍化したが、市場予想中央値+0.4%(筆者予想同+0.4%)を上回ったうえ、1、2月合計で0.6%上方修正されており、市場想定よりもかなり強い内容。また、GDPの算出に使用されるコントロール・グループ(自動車・ガソリン・建材・飲食店を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+0.4%(前月同+1.3%)と市場予想中央値の+0.6%(筆者予想同+0.7%)を下回ったものの、1、2月合計0.5%上方修正されており、市場想定よりも強い内容といえよう。 さらに、小売売上高の基調を判断するうえで重要なコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+0.6%(前月同+0.9%)と鈍化したが、1、2月合計で0.7%上方修正されており、堅調さを維持した。コア小売売上高は、3ヵ月移動平均・3ヵ月前対比年率で+3.0%(前月+2.9%)と上昇し、拡大モメンタムを強めた。1-3月期は、1月の暴風雪による落ち込みによって前期比年率+3.0%と10-12月期の同+5.2%から鈍化した。
  • 1-3月期の実質個人消費は、実質給与所得の増加、企業の販促、資産効果等によって支えられたものの、暴風雪などによる年初の落ち込みのほか、トランプ2.0での政策の先行き不安感の高まり、節約志向の強まりによって、前期比年率+1%程度(10-12月期同+4.2%)と、大幅に減速したと予想される。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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